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大山倍達マニアック検定

【レビュー】芦原英幸著「実戦! 芦原カラテ3 基礎編 誰にでもできる空手」(1987年)

JUGEMテーマ:空手
 


 芦原は持ち前の負けん気で諸先輩の荒稽古に耐え、力をつけていった。 ただし好漢芦原にも欠点はあった。 短気さである。 だが、"ケンカ何段"というのは物語の上、実は計算にもすぐれた男である。 全てを合理的に考え、実行する。

ー大山倍達



 という事で当ブログとしては初ですね、芦原英幸先生の著書を紹介します。

実戦芦原空手3_1.jpg

 今回紹介するのは、1983年から出版された芦原空手の技術書3部作の最終作「実戦! 芦原カラテ3 基礎編 誰にでもできる空手」ですが、先の2作をすっ飛ばして3から紹介するのは、「基礎編」と銘打っている事から分かる通り、順序から言えばこれが最初になるからですね。




 で、実はこの本、芦原先生が亡くなられた後にも再版されており、2種類あります(2005年版が手元にありますが、それ以前の版については知りません)。 この事は6年くらい前だったと思いますが、空手古書道連盟の総裁に指摘されるまで気付きませんでしたw

実戦芦原空手3_2.jpg

 とは言え、違いはほんの少しで、巻末の「芦原会館支部一覧」と、「協力門下生」くらいですかね。 再版時に退会していた方の名前が無くなってます。 でも今改めて読むと、後に円心会館を設立した二宮城光先生も2作目から「協力門下生」に入って無いんですよね。 支部長として独立してると見なされたのかな。
(※追記:コメント欄のtkさんによれば、2、3作目も初版には二宮先生の名前があるとの事。 退会された後に削除された可能性があります)
 …まぁ、いいや。 とりあえず目次から。


・はじめにーーなぜ芦原カラテは誰にでもできるのか ・使う技・当てる部位 ・ステップ/四つのライン ・ポジショニング ・間合いと見切り

芦原カラテー基礎から実戦へのチャレンジ
・基本練習はなぜ必要か ・芦原カラテ トレーニング・プログラム ・かまえ 立ち方 ・三戦立ち/前屈立ち・騎馬立ち ・組手かまえータメとバネ

突き PUCHES
・正拳中段突き ・正拳上段突き ・正拳アゴ突き/正拳の使い方(トレーニング) ・ステップとパンチ ・裏拳顔面打ち ・裏拳左右顔面打ち・裏拳脾臓打ち ・裏拳 実戦での使い方 ・まわし打ち/実戦での使い方 ・下突き/下突き応用練習 ・ヒジ打ち/実戦での使い方 ・フック・アッパー ・パンチコンビネーション

実戦芦原空手3_3.jpg

受け BLOCKS
・上段受け/実戦での使い方/上段受けからのサバキ ・中段外受け(上段外受け)/実戦での使い方/外受けからのサバキ ・内受け/実戦での使い方/内受けからのサバキ ・下段払い/実戦での使い方/下段払いからのサバキ ・手の受け おちいりやすい間違い ・内受け下段払い ・まわし受け/実戦での使い方/まわし受けからのサバキ(まわし受け応用技ーかんぬき)

蹴り KICKS
・前蹴上げ ・ヒザ蹴り ・ヒザブロック/ヒザブロックからのサバキ ・金的蹴り ・前蹴り(三角蹴り) ・金的蹴り・前蹴り 実戦での使い方 ・まわし蹴り/実戦での使い方 ・上段まわし蹴り(ハイキック) ・下段まわし蹴り(ローキック) ・横蹴上げ ・横蹴り ・関節蹴り ・横蹴り・関節蹴り・後ろ蹴り ・横蹴り・関節蹴り応用/後ろまわし蹴り/飛び後ろまわし蹴り/スピンキック/カカト蹴り ・横蹴り・関節蹴り 実戦での使い方/ヒッカケ/ストッピング ・円形逆突き ・各受けからの逆突き ・前払い ・追い突き(逆突き)/追い蹴り ・投げ ・コンビネーション ・サバキ

 芦原カラテ(サバキの型)
・〔サバキの型〕とは何か ・初心の型 ・基本の型 ・投げの型 ・実戦の型

実戦芦原空手3_8.jpg

 護身ーー身を守るためのテクニック
・タイミングで守る ・外受けで守る ・内受けでも守る/下段払いで守る ・関節技で守る ・ステップで守る/座っている時に襲われたら ・狭い所でも守り方

「空手の素晴らしさを追求しよう」 あとがきにかえて
芦原会館支部一覧


 本書の右端には小さい写真が毎ページ載っており、よーく見ると連続写真になっているのが分かるかと思います。 実はコレ、パラパラ漫画になっており、タララ〜と親指でスライドめくりすると動きの流れが動画風に見られますw

実戦芦原空手3.gif

 1作目から収録されてましたが、こういう所も斬新な本ですよね。 で、その一部をアニメGIFにしてみたので、どんな風になってるか確認出来るかと思います。

 さて、サバキについてですが、やはり原型は大山道場にあると考えます、閂からの膝蹴りとか、大山道場の代表的な技術ですしね。 大山道場で培った横や後ろに廻る技術…元々は目で見て盗み、実際に使って実用性を高めていた技術を芦原英幸先生自身の物として完全に昇華し、キチンと体系付けたーというのがサバキでしょう。

実戦芦原空手3_8.jpg

 体系付けた事によりそれまでの個人の技術としての試行錯誤が無くなり、普遍的な技術となった、これが芦原空手の最大の功績では無いでしょうか。 つまり一代で絶える事が無くなった訳ですね。 それまでの○○さんの技術はこうだった、ああだったから脱却したんですからねぇ。
 これは大山倍達総裁には出来なかった事です。 大山総裁は極真の空手という物を世界に広める事は出来ましたが、大山倍達の空手は広められなかった訳で。 …本人にその気が無かったのかも知れませんがw

実戦芦原空手3_4.jpg

 本書を読むと基本稽古にも芦原先生の特徴が良く出ています。 肩を入れた突きや受け、蹴りの軌道もそうかな、そして構え、この辺りは門下生に共通していると言っても過言では無いかと。
 んで、これは最も評価されるべき技術だと思うのですが、ステップとポジショニングの概念の発表ですね。 それまでの個々に依存した技術から体系付けた事により、昔は「廻れ、廻れ」とだけ言われていた円の動きが普通の門下生にも学べる様になったんですからねぇ。 まぁ、弊害が無い訳じゃないですが、別に試合しなければ問題無いので、いいかな。

実戦芦原空手3_5.jpg

 何か基礎編の話なのに、サバキその物の話ばっか書いてますねw
 しかしサバキの根幹となる基本技術も、本書ではかなり細かく要訣を書いており、初心者にとってはかなりの指針となりますし、中級者以上でも漠然とした基本稽古から、もっと考える稽古へと発展を促す事になるかも知れません。
 ただし、他流を学ぶ人は自流との違いを勘案した上で稽古に取り入れるのが重要だと思います。 例えば、肩を大きく入れた突きを基本で出すと指導員に怒られるかも知れませんし、回し受けを芦原空手風にやるとこれまた怒られるでしょうw

実戦芦原空手3_6.jpg

 また、基本的には相手(もしくは自分の)攻撃から反撃、テイクダウンを奪うまでをワンセットとした空手ですので、従来の一撃必殺/一打必倒の空手を一線を画しており、その為単打の威力を追求している訳ではありません。  その意味では非常に戦略的な空手だと言えるでしょうねぇ。



 という事で、芦原英幸著、 「実戦! 芦原カラテ3 基礎編 誰にでもできる空手」でした。
 何だか、今回は書くのに苦労しましたね。 他の2作をレビューする時にどうしよう…w

 さて、芦原先生の本は現代では割とプレミアが付いておりますが、この技術書シリーズ、表紙のビニールがやたら剥がれ易く、使い込むとめくれる傾向にあります。 私が最初に買った同書など、めくれが気になって剥いだら、色が薄くなってしまいましたw
 皆様も保存には気を付けて下さいw
 それでは、また。

※2012/7/8、「協力門下生」ネタを追記しました。


参考文献:
限界への挑戦 大山倍達著 宝友出版社 1977年
少年マガジン特別編集 実戦! 芦原カラテ3 基礎編 誰にでもできる空手 芦原英幸著 講談社 1987年









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コメント
芦原先輩!

昔、極真総本部で開かれた「全国支部長会議」の折拝見しましたが、眼光鋭く、それだけで相手を倒せる雰囲気を持たれていました。当時総本部指導員であった東谷巧先輩もよく池袋のビアホールに連れて行ってもらったみたいです。(後に芦原会館デンマーク指導員を経て現在は「心武道」)

門下生の西山さんは同年代で昔新宿のディスコで働いていた記憶があります。
>名誉五段さん
もう無くなっちゃいましたが、屯の方にも行かれてたんでしょうねぇ…「四角いジャングル」の1シーンの様に。

西山先生とは面識ありませんが、門下の有名な女性空手家の方とは同じ整体の先生に掛かってましたw
  • Leo
  • 2012/07/07 7:16 PM
>Leo様

屯! 通称「豚屋」ですね。なつかしいです。
初めまして!毎回楽しく拝見させて頂いております。小生、3部作全ての初版を所有しておりますが、2・3作目の初版には協力門下生のトップに二宮城光師範の名前が有ります。再販時には独立されていたので名前を削除されたのでしょうか?ご参考までに。
  • tk
  • 2012/07/08 7:25 PM
>tkさん
おお、情報ありがとうございます。
そんなに細かくいじってるとは思ってもみなかったです。
大山総裁の本とは違い、初版再版で明確な違いが無かったので気にしなかったのですが、流石は芦原先生ですね。

これは今後の古書業界で金額の差に繋がるかも知れません…w
今までは芦原先生の本で、初版だからと、差が付くケースは殆どありませんでしたけど、初版の価値が上がりそうだなぁ。
  • Leo
  • 2012/07/08 7:50 PM
>Leo様
因みに2・3作目の初版(第1刷)は各々、昭和59年11月25日・昭和62年6月10日となっております。二宮師範が円心会館を設立したのが昭和63年とのことなので、それ以降の再販では削除されたのかもしれませんね。
  • tk
  • 2012/07/08 9:15 PM
おお、実戦芦原カラテですか!なつかしいです。

1が出版されたのが大学時代でしたが当時ファイティングスタイルからの技術を紹介した書物がほとんどなかったので話題となったものでした。大学のクラブでも「ここまで公開したらまずいんじゃないか・・」とか部員どうしが話していたのを覚えています。

3は近年まで(今でも?)芦原会館の会員なら購入できたんですね、とっくの昔に絶版になっていたと思ってたんですが芦原会館OBの会員から「入門者にはテキストとして購入することになってます」と聞きました。

>tkさん
多分そういう事ですね。

>古流修行者さん
まぁ、現代から見ても完成されている技術書ですもんね。
フルコンルールの技術書…というかアドバイスが載った本すら殆ど無い時代ですし。

3は今も買えるのかな、5年位前までは確実に会員は買えた筈ですけど。 確か、型DVDも入門者が購入しないといけないんじゃないですかね。 私も芦原会館の人から貰いましたけど、一時期は高値で取引されていた様ですw
  • Leo
  • 2012/07/08 10:50 PM
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