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大山倍達マニアック検定

極真ルールの変遷 2(第3回大会〜第5回大会)

JUGEMテーマ:空手
 
 前回の続きですね。

大会パンフ1969_small.jpg

 71年の第3回大会。 今大会から1コート制になり、過去2大会と比べると文章が色々変わってますので、以前書きましたが、再掲します。


第3回全日本表紙.jpg

〔組手〕
〔1〕 組手は原則として1試合3分間とする。
〔2〕 組手の勝者は、1本勝ち・判定勝ち・相手の反則ないし失格による勝ちにより決定される。
〔3〕 1本勝ち
(a) 反則箇所を除いて、突き・けり・肘打ち等を瞬間的にきめ、相手をダウンさせるか、またはダウンさせないまでも一時的に戦意を喪失させたとき。
(b) 足掛け技をも含めてダウンさせた相手を、きめたとき。
〔4〕 判定
(a) 1本勝ちのきまらないときは、双方の技術、気魄の優劣、減点数の多少により、審判員が協議して決定する。 ただし常に軽量の選手が優位とされる。
(b) 選手は審議員を通じて判定の異議申し立てができる。 ただし「技あり!」は使用しない。
〔5〕 反則
(a) 拳・肘による顔面殴打。 手先が軽く触れても失格となる場合もありうる。 ただし顔面をけん制することは自由である。
(b) 金的げり
(c) 頭突き
(d) 貫手による顔面、首への攻撃。
(e) ダウンした相手に当てたり、けったとき。
(f) 減点3以上を数えたとき。
(g) 以上のほか、審判員が特に反則と見なしたとき。
〔6〕 減点
(a) 相手を3秒以上掴んで放さないとき。 ただしそれぞれの場面に応じて主審の判定に委ねる。
(b) 何度も場外へ逃げたとき。 ただしこれも主審の判定に委ねる。
(c) 主審の判断により、特に悪質な試合態度と見なされたとき。

 
第3回全日本7.jpg

 今大会でも「技あり」はありませんが、掴みに関しては厳格化されました。 掴んだ場合じゃなく、掴んで放さない場合になってますね。 第2回の映像を見ると掴んでグチャグチャになってる試合なんかもありましたので、厳格に取る様にしたんじゃないかな。
 ちなみに何故か試合規約には載ってませんが、大会進行表のところに新たに出来た規定があります。

※試し割りはいずれも3枚以上を規定とする。
※判定で引き分けの場合は、体重の軽い方を勝ちとする。 但し双方の差が3kg以上の場合。


 何でこんな枠外に書いたのかなw 重要な事ですよ。 この時より試し割りの3枚以上が出来た訳ですね。 そして有効体重差が3kg。 後の10kg差よりも小さいですが、まだウエイトトレーニングをする選手が少なく、大型選手も少なかったという事でしょう。 ちなみに試し割りでも同点の場合は体重の軽い方が勝ちとなります。 あ、それから正当な理由の無い試合放棄に対する弁償金が設けられたのは今大会からで、5万円を義務付けています。
 で、試し割りで失格すると組手試合の方には出場出来ない旨の記載がありました。 試し割りに対する大山総裁の拘りを感じます。

第4回全日本表紙.jpg

 で、72年の第4回大会。 今大会でも余り変わりませんね。 違いはそうですね…見合ったままの状態で3分以上経過した場合は失格だったのが、1分以上と変更がありました。 で、試合放棄の弁償金が10万円以下と倍になってますw
 最大のポイントは、審判動作規準が公開された事ですかね。 ちなみにまだ技ありは導入されてません。
 では審判動作規準を見てみましょうか。

〔組手の部〕
〔1〕 試合開始

イ)    両選手を進行係が呼ぶ
    (この時対戦者はお互いに反対の位置より出る)
ロ)    中央の線を境に一定の間合3Mをとり中央に主審が立つ
ハ)    試合時間は3分間とする(試合規約を参照)
ニ)    試合続行中服装が乱れた時は、主審は試合を止めさせ初めの位置に戻し、お互いに背を向けてすわらせ服装をなおさせる。
〔2〕一本勝
イ)    相手がダウンまたは戦意喪失の場合を云い、主審の判断によって両選手の中に入り選手をわけ、試合を止め元の位置に戻す。
ロ)    副審の動作を見て、2名以上の旗によって決める。
ハ)    同点数の場合は試合続行とする。
ニ)    同点数の場合、時間切れの時には審判長の裁決をあおぐ。
ホ)    試合規約にある通り、同点数の場合は3kg以下を有利とする。
〔3〕判定勝(優勢勝)
イ)    試合終了の合図があると主審は「やめ」で両選手を分け元の位置に戻す。
ロ)    副審は各自の判断によって勝選手の方の旗を斜め上にあげる(主審はそれを見て自己の判断と照り合せ決定する)
ハ)    同点数の場合(ウェイトも同じ場合)は試し割りの枚数の多いものが優勢である。 但し枚数が同じ場合は審判長の決裁によって試合延長もありえる。
〔4〕反則負け
イ)    反則があった場合、主審が両選手の中に割って入りやめさせる。
ロ)    距離的に副審が近い時には、副審が止めさせ主審の決裁をあおぐ。
ハ)    主審は副審2名以上の同意があれば、これを認める。
ニ)    主審が反則と認めても、2名以上の同意がない場合は反則と認めず試合を続行する。
〔5〕失 格
イ)    減点3回以上になった時は失格する。
ロ)    主審に対し言動が粗野な時(試合態度がよくない時)この場合、審判長・審議員長・審議員の決裁によって失格となる場合もありうる。
〔6〕減 点
イ)    主審の注意が3回以上あった場合、主審の判断で行う(但し副審の同意を得ること)
〔7〕試合終了
イ)    一本勝・優勢勝・反則負けで主審が勝を宣してから退場させる。

審判動作(第5回).jpg
審判動作(画像は第5回時のもの)

〔試し割りの部〕
イ)    試し割りは審判3名以上が立ち合うこと。
ロ)    進行係に呼ばれた選手は前方に礼をし、タイム係がその時からタイムをはかる。
ハ)    選手は板に手をふれてはならないが、板に布を置くことはよい。
ニ)    試し割りは1回とする。 但しやりなおしは出来ないが審判長及び審判の同意があれば出来る。
ホ)    審判は割った板を持ち上げ「何番、何枚合格」または、失格と大きな声でアピールする。

〔旗の振り方規準〕

イ)    「一本勝」「優勢勝」の場合、赤か白の旗を斜め上にあげる。
ロ)    何事も認めずの場合、両旗を前で交差させる。
ハ)    中立、不明の場合、その選手(赤または白)の方の旗を斜め下で振る。
    場外の場合はピーッと呼笛をふいてやめさせ出た方の選手の旗を斜め下に出し主審にアピールする

●以上、いずれ場合も呼笛をふいて旗を動作させる事。
●尚、この審判動作規準は国際空手道連盟規約によるものである。


 まだ技ありが無い時代ですので、技ありの動作がありません。

第5回全日本表紙.jpg

 73年の第5回全日本は、初のテレビ放映がされた大会です(それ以前の大会もスポーツニュースで放映された事があるらしいのですが、詳細は不明)。 今大会は技ありが導入され、体重判定の有効体重差が10kgへと増えたのが最大のポイントですかね。
 判定の所も技ありを踏まえた文章に変化してます。

〔4〕 判定
(a)1本勝ちのきまらない時は延長戦を行なう。
(b)延長戦も決まらないときは双方の技術、気魄の優劣、減点数の多少により、主審、審議員、審判長で決定する。 ただし10kg以上の体重差を有効とする。
(c)「技あり!」は使用する。 これは蹴り、突き、打ちで相手が倒れはしないが、バランスをくずした場合。


 「1本勝ちのきまらない時は延長戦を行なう」とありますが、当時の映像を見る限り本戦での優勢勝ちが確認出来ますので、まぁ、何かの間違いでしょうw

第5回全日本5.jpg

 しかしこれで現在のスタイルに結構近付きましたね。 減点の掴みに関しては、少し意味合いが変わりました。 んで、掛け技についても説明が入りました。 「相手を3秒以上掴んだとき(ただし手がけは3秒以内)。」 ちょっと分かり難いんですが、手掛けは一瞬って事なんですかね。 尤も、掴みと違って長く掛ける訳じゃないので、そう影響しないでしょう。 さらに失格の所でも手掛けがクローズアップされてます。

〔7〕失 格
(a)試合中、審判員の指示に従わないとき。
(b)出場時刻に遅れたり、出場しないとき。
(c)見合ったままの状態で1分以上経過したとき。 この場合は戦意なしとして双方失格となる。
(d)粗暴な振舞い悪質な試合態度と見なされたとき。 ただし3秒以内で手がけで相手を倒した場合は例外とする。


 粗暴とか悪質とか書いてあるのはあれかな、道着では無く、直接身体を掛けるケースを想定してるんでしょうか。 髪の毛とか頭とか。 ちなみに試し割りも有効体重差が10kgになってます。
 審判動作規準のとこも少し変更がありますけど、有効体重差が10kg以上になった事で、計測する為の計りについての取り扱いが書いてます。 計りを出すのに「審判長の裁可を必要とする」と、あるのでまだ体重判定についても思う所があったのかな? 現在の様に厳格な規準では無かったという事でしょう。 まぁ、確かに80年代くらいまでの全日本は延長2回で体重判定、とは限りませんでしたしね。


 今回は風邪か、頭がクラクラしてますので、ここまでで済みません。
 やはり掴みに関してちょっと揺れ動いてますね。 残っている映像では自分の組手が確立している選手の試合ばかりですのでちょっと分かりませんが、レベルの低い選手同士だと取っ組み合いみたいな試合もあったんじゃないかと想像します。
 この辺りは細かいルール変更がありますのでスローペースですが、後期の大会になれば多分サクッと扱うでしょうし、ペースが上がるんじゃないかなw
 それでは、また。

 
参考文献:
第3回オープントーナメント全日本空手道選手権大会プログラム 国際空手道連盟財団法人極真奨学会極真会館 1971年
1973年度国際空手道連盟極真会館年鑑 国際空手道連盟財団法人極真奨学会極真会館 1972年
第5回オープントーナメント全日本空手道選手権大会プログラム 国際空手道連盟財団法人極真奨学会極真会館 1973年

関連リンク:
極真会館主催 第3回全日本大会プログラム (1971年)
極真会館主催 第4回全日本大会プログラム/年鑑 (1972年)
極真会館主催 第5回全日本大会プログラム (1973年)
極真ルールの変遷 1(第1回大会〜第2回大会)








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コメント
かつて最も自由でわかりやすいルールがフルコンタクトだったと思います。
それが現行では、何かとても不自由なルールにいつの間にかなってしまった…クロオビで松永さんが言われていたのが考えさせられました。
仮に素手顔面を解禁したら、日空協の人たちにもやもや言われそうですしねw
(館のようにグローブでも小さければとことん試合でやると危険だと感じます)
  • ぬこやなぎ
  • 2013/01/29 1:32 PM
確か第2回くらいから出場して活躍した韓武館の
金次憲選手の事でわかったら教えていただけたらと思います。
後ろ回し蹴りの名手で極真の黒帯に1本勝ちをおさめ佐藤勝昭、山崎照朝氏らがそれに啓発されて道場に
後ろ回し蹴りを導入した事はよく知られてますね。
その後極真会に入門したとも聞いてます。
自分も末席ながらs50年頃極真に入門し、黄色帯までとって
挫折したんですが、当時、茶帯で金という道場生がいて本部指導員
の人も茶帯ながら金さんと丁重に応対してました。
筋のよい茶帯、黒帯がいると「軽く組み手しよう」と誘い手合わせするとあっという間に高い蹴りが入ってしまうシーンをしばしば見ました。
ふと思いだしまして。
記憶違い、人違いかもしれませんが。
  • 挫折10段
  • 2013/02/01 8:28 PM
金次憲選手についてはこちらに記述していただいています。http://blogs.masoyama.net/?eid=32

翰武会についてはurl:で動画をアップしています。

金選手はその後大阪で事業をされているはずですから東京での入門はないと思います。


  • てる
  • 2013/02/02 12:30 AM
>ぬこやなぎさん

結局時代と共に変化していった結果でしょうね。
社会人的には極真ルールは外傷も少ないのでいいルールだと思いますし、頭部への加撃も少ないので、稽古後に酒が呑めますw
また、主催者としてはアマチュアの大会では安全性を確保しなきゃいけないでしょう。 極真ルールは〜と揶揄する人は実際に大会を開いて責任を負う立場の人じゃないのは確かでしょうね。

>挫折10段さん

てるさんが書いている通りですw 少なくとも私は極真に入門したという話は聞いてませんねぇ。
金選手の後ろ廻し蹴りの映像は、クエストのDVD「長谷川一幸 極真カラテ 入門編 vol.1」に収録されています。
  • Leo
  • 2013/02/03 3:41 PM
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