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大山倍達マニアック検定

【レビュー】大山倍達編著「勝負の鉄則 ―現代に活かす武道のことば」(1993年)

JUGEMテーマ:格闘技全般


 と言う事で、ご存じの方はご存じの通り、昨日は映画「みなさん、さようなら」を見に行って来ました。 前々から気にはなってたんですが、のぶさんの書き込みで行こうと決めて見て来た次第です。
 主人公の渡会悟は大山倍達に感化され、時折「大山倍達語録」が出て来ますw
 んで、今日は何かそれっぽい物を扱おうかなぁと思い、同映画で登場した大山総裁の本にするかーとも考えたのですが、今回は大山総裁の著書では無く編著というちょっと変わった1冊、1993年に出たPHP研究所の「勝負の鉄則 ―現代に活かす武道のことば」を紹介しようかな、と。

勝負の鉄則1.jpg





 えー、本書の巻末にはこうあります。

この作品は、一九八七年八月にPHP研究所より刊行された同書を再編集したものです。

 アレ? 大山総裁は前にもこの本を出した事があるのかな? と思った人がいるやも知れません。 しかし実は87年にPHP研究所からこんな本が出てました。

武道のことば.jpg

 「現代に活かす勝負の鉄則 武道のことば」(PHP研究所編)
 ( ゚д゚)
 (つд⊂)ゴシゴシ
 (;゚д゚) …?
 「勝負の鉄則 ―現代に活かす武道のことば」(大山倍達編著)
 

 えー…w 大山総裁編著の方と構成する単語は一緒なのに、違うタイトルになってますw
 著者は―PHP研究所編。 つまり…PHP研究所が編集した本を大山総裁に依頼して、文庫版として再編して貰ったのが本書、という事になりますねぇ。 ひょっとしたら名義貸しだけ、かも知れません。 いや、後述しますが、むしろ名義貸しの可能性の方が高いですw
 大山総裁は出版社から見れば確実に1万〜5万部くらいは売り上げる安定した作家です。 なので、「昭和五輪書」でその売り上げに着目したPHPが元のハードカバー版を文庫版で出す際に依頼したのでしょう。 原著も五輪書に準えた構成ですし、大山総裁にマッチしてました。
 では、目次……あ、目次長いので、覚悟して下さいw


    はじめに

地之章    変化する時代を勝ち抜くために

    1   武士は文武二道といひて二つの道を嗜む事是道なり        宮本  武蔵
    2   人の一生は重き荷を負て遠き道を行くが如し            徳川  家康
    3   上手は近きを知りて遠きに苦しむ。
           下手は遠きを知りて近きを知らず                高野佐三郎
    4   軍は敵の案に入らぬように覚悟すべし            鍋島  直茂
    5   理より入るものは上達早く業より入るものは上達遅し        千葉  周作
    6   心の内濁らず、広くして、広き所へ知恵を置くべきなり        宮本  武蔵
    7   表裏は兵法の根本なり                    柳生  宗矩
    8   内心に道を修し、外かたちに法をたもつ            大道寺友山
    9   儒者は頼むに足らず                    毛利  元就
    10 主将の臣を選ぶはこれ常なり、また臣の主将を選ぶときあり    北条  氏康
    11 一生事なきを以て第一とするなり 戦を好むは道に非ず        中条流兵法
    12 虚心坦懐の余裕 この心構えは剣術と禅のたまものである    勝    海舟
    13 兵法は、進退ここにきわまって一生に一度世に立てるものである    上泉  信綱
    14 敵になるというは、我身を敵になり替って思うべきという所なり    宮本  武蔵
    15 如何に知音を持つともの頼まずに、ただわが身一つと心得べし    鍋島  直茂
    16 一心、二眼、三足 心が第一                中条流秘伝

水之章    闘いの本質とはいかなるものか

    17 一芸に熟達せよ 多芸を欲張るものは巧みならず              長宗我部元親
    18 押さばまわれ、引かば斜に出よ                三船  久蔵
    19 間に髪を容れず 石火の機                    沢庵  宗彭
    20 構えありて構えなし                    宮本  武蔵
    21 一時の勝ちは終身の勝ちにあらず                松浦  静山
    22 六、七分の勝ちを十分となす                豊臣  秀吉
    23 人生には何よりも「なァに、くそ」という精神が必要だ        嘉納治五郎
    24 三多の法                        野間  清治
    25 彼のなすところを以てこれ我になせば すなわち克たざることなし    立花  宗茂
    26 運は、我能く勤め応ずる所に在り、怠る可からず              念流兵法心得
    27 人の頭なる者共、手を汚さず、
           口先の下知ばかりにて軍に勝てるものかは            徳川  家康
    28 敵より遠く我より近く                    橋本  統陽
    29 心頭を滅却すれば火もおのずから涼し            快川  国師
    30 わが武術に秘伝などない ヘソを食い抜いても勝てばよい        関口  柔心
    31 心の病を抜く                        柳生十兵衛
    32 名人も人なり、われも人なり、いかで劣るべき            山本  常朝
    33 苦手の克服                        八田  一朗
    34 いまだ木鶏たり得ず                    双  葉  山
    35 人は神ではない 誤りをするところに人間味がある        山本五十六

火之章    勝敗の一瞬の妙を体得する

    36 とどまらぬ心は色にも香りにも移らぬ                沢庵  宗彭
    37 慚愧の水をもって塵労を洗い、心身ともに清浄の器とす        島田虎之助
    38 心を以て心を打つ                    山岡  鉄舟
    39 動中の工夫は静中の工夫に勝ること、百千倍す        白        隠
    40 戦場は千変万化す                    馬場  信房
    41 馬に乗るのも、心の持ちよう一つ                源      義経
    42 身は軽く心静かに迷はずば 敵の勝気のうちに勝あり        武道  秘歌
    43 切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ、踏み込みいけば後は極楽    剣道  秘歌
    44 勝つことばかり知りて、負くることを知らざれば害その身に至る    徳川  家康
    45 慮りすでに定まれば進退疑いなし                平山  子竜
    46 逃げるが勝ち                        宮本  武蔵
    47 決死の一人、千人を走らす                平山  子竜
    48 我れ事において後悔せず                    宮本  武蔵
    49 進むときは人まかせ、退くときは自ら決せよ            河井継之助
    50 退くにも進むにも、目付を油断なく心に残しておくべきである    柳生十兵衛
    51 柔よく剛を制す                        起  倒  流
    52 人に勝つより、自分に勝て                    嘉納治五郎
    53 敵をただ打つと思ふな身を守れ                高野佐三郎
    54 敵の攻撃の虚をみずからの実で制す                伊藤一刀齋
    55 相ぬけの境地                        小田切一雲
    56 運は天にあり、鎧は胸にあり                上杉  謙信

風之章    限りなき闘志を燃やし続けるために

    57 この世に恐ろしき者、勇者にあらずして臆病者にて候        徳川  家康
    58 ひとり働きをしたがるは、匹夫の勇で大将にはなれぬ        黒田  如水
    59 大事の義は、人に談合せず、一心究めたがるがよし        伊達  正宗
    60 水月と移る心は有りけれど、敵にむかへば波の間の月             佐分利流道歌
    61 夫れ軍法は人事の性心にして、軍配は軍法の骨髄なり          小幡勘兵衛景憲
    62 兵法の極意に心至りなば、刀道具に及ばざりけり        竹内流道歌
    63 大事に臨みては、機会は是非、引き起こさざるべからず        西郷  隆盛
    64 左右の平均                        八田  一朗
    65 武の道においてはすべてに先手あり。 しかれども私闘なし        大山  倍達
    66 武の道においては点を起とし、円を終とす。
           線はこれに付随するものなり                大山  倍達
    67 体を動かすのは心 どんな逆境にあっても礼儀を身につけよ    琴風  豪規
    68 横綱になった一番の原因は自分が素直であったということだ    大鵬  幸喜

空之章    勇者への戦場訓

    69 夢にも勝て                    三船久蔵+八田一郎
    70 男というものは、困ったと言ってはならぬ            高杉  晋作
    71 為せば成る為さねばならぬ成る業を成りぬと捨つる人のはかなさ    武田  信玄
    72 勇断なき人は事をなすことあたわず               島津斉彬と示現流
    73 心は気の霊なり                        佚齋  樗山
    74 一心一刀                            佐々木小次郎
    75 大分の兵法においても、あらたになるといふ所わきまゆる事肝要也    宮本  武蔵
    76 妙とは達人のうえにあることにて、理外のことなり            安建  正寛
    77 ファイト・トゥ・ザ・ラスト                        高見山大五郎
    78 戦術眼は多くの修羅をくぐって養われる            釜本  邦茂
    79 挫折してもプライドは失わない それは努力しているからだ        長嶋  茂雄
    80 正しい心を持つように努力すれば、
           自分でも気づかないほど人間は強くなる            広岡  達朗
    81 忍を忍耐と思ううちはダメ それはふつうの状態だと感じるべきである    大山  康晴
    82 手の内を整える                     弓道・弓構えの心得
    83 予想外のことまでも深く深く見抜け                大山  倍達
    84 空手に先手なし                        富名腰義珍
    85 呼吸はおのずから宇宙に同化しつつ、丸やかに大きく拡がっていく    植芝  盛平
    86 勇気をもって相手の弱点を打つ                宗     道臣
    87 意見をしてみるに、ただちに請けあう者にその意見を保つ者なし    小早川隆景
    88 心の底をぬくといふ事                    宮本  武蔵

 ふう…ある意味超大作w
 原著は90の名言があったので、抜けたのは2つだけ。 別に残しててもいいんじゃないかなぁと思います。
 ちなみに抜けたのはこちらの2つ。

    ・やらされる三時間より、やる気の三十分(松尾雄治)
    ・完膚なきまで叩きのめされ、マットに這いつくばってキャンバスの匂いを嗅ぐ(アントニオ猪木)

 220頁ほどの薄い文庫本なので、別に後8頁くらい増やしてもいいんじゃないかと思うんですけどねぇ。
 さて、ひょっとしたら名義貸し?と冒頭で書きましたが、実は原著にある序文、大山総裁編著版と同じなのです。 前者ではPHP研究所が序文を書いた事になっており、後者では大山総裁が書いた事になってますw
 まぁ、この時期、PHP研究所からは名言集みたいなのが複数出てたっぽいし、何も大山総裁に限った話では無いかも知れません。 大山総裁に関連してないので調べてませんけど。
 つまりこんな感じ。

文庫版を出す→でも前のハードカバーはあんま売れなかった→編集者考える→大山先生!全部こっちで仕切るので、お名前だけ是非…→大山倍達編著版刊行

 というのが予想ですw
 いえ、事実かどうかは知りませんよ? 状況から組み立てた仮説ですから。

 まぁ、こういう裏話はともかく、本自体は名言集だけあって、色々と心に残り感銘を受ける言葉も少なく無いです。
 中身も目次を読めば分かると思うので割愛しましたが、手に取っても損はしない本だと思います。



 と言う事で、大山倍達編著「勝負の鉄則 ―現代に活かす武道のことば」でした。
 今までで一番レビューになって無い気がしますねw
 何かもー目次書いたら自分の言葉なんかいらないんじゃないかって気になりましてねぇ。
 説明が無いと分かり難い言葉もあるかと思います。 例えば「夢でも勝て」とか。 解説はしませんけどね。
 続きは書籍で!

 んで、先に書いた通り、映画「みなさん、さようなら」を見ました。 全体的にマス大山リスペクトを感じましたねw

みなさん、さようなら.jpg

 原作もそうなのか、それとも映画版だけのオリジナル演出なのか、気になるので読んでみようかと思います。
 ちなみに登場する書籍は「限界への挑戦」「100万人の空手」「極真への道」のそれぞれ増補改訂版。 81年か82年に購入してる設定なので、改訂版を出したのは正しいです。 で、こっちはじっくり見られなかったんですが、何年か後、主人公の学習机に乗っていた本は「極真大道」に見えました。
 そしてケーキ屋「タイジロンヌ」の店主が主人公に書き残した手紙の一文は、「月刊パワー空手」1994年7月号に大下英治先生が寄せた追悼文にもあった漢詩「勧酒」の井伏鱒二訳。 偶然かどうかは知りませんが、意図的だと思いたいところw

大下英治.jpg

 しかしこれはどーよ? ってのが1つあったので、そこだけツッコミ。 作中、主人公が大山総裁をTVで知るシーンがあるのですが、そこで使われていた映像はメディア8の「一撃のカラテ」でした。 しかしスタッフロールとパンフレットのクレジットにはQUEST社の「地上最強のカラテ」w
 「地上最強のカラテ」にはアニメ「空手バカ一代」で使われた瓶切りシーンと、54年の牛殺しの映像は収録されて無いっすよ。 パケ版が出る時には修正して欲しいですねぇ。
 それでは、また。


参考文献:
月刊パワー空手 1994年7月号 パワー空手出版社 1994年
みなさん、さようなら(パンフレット) ファントム・フィルム 2013年
現代に活かす勝負の鉄則 武道の言葉 PHP研究所編著 PHP研究所 1987年
勝負の鉄則―現代に活かす武道のことば 大山倍達編著 PHP研究所 1993年

参考リンク:
映画「みなさん、さようなら」公式サイト (2013/02/17)








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コメント
mixiの日記には書いたのですが、行とでもいうべき孤独な鍛練を積み重ね、組手ひとつ知らぬまま凶悪な敵に挑む。

その孤独な闘いは、キョクシンではなく、おっさんの味わった昭和40年頃の空手像を感じました。

多分、DVDでたら買うと思います。

ひとつだけ…、眼突きは左手で突くべきだと思うんですが如何でしょうか?q(^-^q)キミー、メツキハケンセイダヨ

  • のぶさん
  • 2013/02/18 12:13 PM
>のぶさん

眼突きの稽古とか、既視感がありましたねw
そう言えば私も段ボールでお面作って、電灯のヒモに結んでやったら、バチンとヒモが切れたなぁとかw

確かに牽制という意味では左手で眼突きが正しいと思いますが、一人で稽古して来た事を考えると、技の鍛練が右側に偏るかも知れませんねぇ。
最初期の試合を見てると、技が偏ってる人が多かった様ですし、山崎照朝先生も最初は左ハイキックが蹴られなかったそうですから。
  • Leo
  • 2013/02/20 9:31 PM
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