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大山倍達マニアック検定

【レビュー?】大山茂監修「ザ・カラテ1〜3」(1989年)

JUGEMテーマ:空手
 

 今回は「月刊フルコンタクトKARATE」で連載されていたワールド大山空手の大山茂先生と大山泰彦先生の技術シリーズの総集編である、「ザ・カラテ」3部作を紹介しようかな、と。
 「ザ・カラテ」と言ってもタダシ山下とは関係無いです。 …でもあっちも3部作か…あら偶然w いやまぁ、3冊目は正確にはタイトルが「USA大山空手 ザ・トータルパワー」ですけど、便宜上、「ザ・カラテ」3部作と呼びます。

ザ・カラテ1.jpg




 私はこの連載が大好きでして、当時はビデオもロクに見られない時代、フルコンルールの技術は雑誌でもあまり載ってなかったんです。 極真の機関誌「月刊パワー空手」でも、時期によっては全然載ってなかったですし、地方の支部だと試合の為の研究はそんなされてなかったでしょう。 極真の伝統は先輩が受け継いだ技術を体で盗み憶える事で伝えられた部分が大きく、これを稽古で研磨する事で発展した訳でして。 無論、試合を中心とした技術研究により、絶えてしまった技術もあるのですが…。

ザ・カラテ2.jpg

 で、茂先生と泰彦先生は早くから海外に行ったにも係わらず、第2回全日本大会以降、審判として日本に招集された上、極真ルールの大会を現地で開催していましたので、旧来の技術と大会技術を理解した上で技術論を展開しているんですね。 なので、中坊だった私にはそれはもう目から鱗な連載でしたw 単純な勝ち負けを追究するんじゃなく、毎月テーマを決めて掘り下げるというのが良かったんですよねぇ…(※読み始めた頃は毎月蹴りをテーマにされていました)。
 技術論と言っても小技を行使するのでは無く、まずこの技を使うという目的があってそこを目指す為の説明が成されているので、今見ても通じるんじゃないかなぁ。 色々な技の様々な使い方が示されてるので、幅が広がると思いますね。
 序文?では茂先生はこう語っておられます。

ザ・カラテ3.jpg

(前略)
 現在の実戦カラテの中で用いられる技が、どこから生まれて、どのように発展したのか、昔ながらのカラテの基本のどこに、実戦性が隠されていて、どのように応用されていくのか。
 その点を明らかにすることが、今日のカラテ界には何より必要なのではないか。 いたずらに空手愛好家をまどわすこともなく、一途に空手の稽古に励んでもらうためには、空手の基本の大切さを、今一度私達が声を大にして叫ぶ必要があるのではないか。
 カラテという名を名乗る以上、本来のカラテの技を、本来の稽古体系の中でしっかりと身につけ、そこからしぼり出されてきた空手独特の強さを身につけてほしい。
 それは、決して派手なキャッチフレーズの通る世界でも、痛い稽古をせずに強くなるような世界でもない。
 今の若い読者には、はやらない地味な武道であるかもしれないが、こんな時代だからこそ、私は本当のカラテの姿を人々に訴えなくてはならないと考えている。
 その世界には、伝統派もフルコンタクトもない。 派手なキャッチフレーズもない。 ただのカラテである。


 という事で目次から。

ザ・カラテ4.jpg

 「ザ・カラテ 手技編」
    COLOR GRAPH
●MESSAGE ザ・カラテーそれは言葉ではなく流した汗で知る世界である
●FIGHTING METHOD 戦闘理論 その技と心
    ONE PUNCH
    拳〈ザ・パンチ〉
    HAND TECHNIQUE
    1.立ちと構え
    2.足の運び
    3.正拳突き
    4.正拳の稽古法
    5.振り打ちの稽古法

ザ・カラテ5.jpg

    6.インファイトのための振り打ち
    7.インファイトのための下突き1
    8.インファイトのための下突き2
    9.インファイトのための下突き3
    10.インファイトのための回し打ち
    11.インファイトのための肘打ち1
    12.インファイトのための肘打ち2
    13.インファイトのための鉄槌と裏拳

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LECTURE
極真実力選手の"立ちと構え"徹底分析


ザ・カラテ8.jpg

「ザ・カラテ 蹴り技編」
COLOR GRAPH
パーフェクト・キック
LECTER
パーフェクト・キック入門
●内回し〈INSIDE CRESCENT KICK〉
●外回し〈OUTSIDE CRESCENT KICK〉

ザ・カラテ10.jpg

Chapter-1
THE KNEE KICKーヒザ蹴り
ヒザは接近戦を制す
インファイトを制するためのヒザ蹴り
ヒザ蹴りの間合と角度
Chapterー2
THE FRONT KICK-前蹴りー
槍の如く、相手のガードを蹴破れ!
KOのための一発の前蹴り
前蹴りでの必倒コンビネーション
崩しのテクニックーカカト蹴りー

ザ・カラテ13.jpg

Chapter-3
THE SUPER KICKー回し蹴り
必殺の威力を秘める蹴撃の華
回し蹴りの基本バリエーション
華麗なる上段への回し蹴り
中段回し蹴りのコンビネーション
下段回し蹴りの3つのセオリー
下段回し蹴りからの投げ
SPECIAL REPORT
ザ・スーパーキック
回し蹴りと日本のカラテの流れ

ザ・カラテ11.jpg

Chapter-4
THE BACK KICKー後ろ蹴り
一撃必殺・猛虎の蹴りを身につけろ!
●ベーシック・ポイント1〜2
●ファイティング・ポイント1〜3
一発の後ろ蹴り
軸足の回転と角度
上段への後ろ蹴り
後ろ蹴りを放つタイミング
MESSAGE
「日本人の体格にあった後ろ蹴りをマスターし、パーフェクト空手に近づいてほしい」
Chapter-5
THE BACK SPIN KICKー後ろ回し蹴りー
華麗かつパワフルなカラテの"大輪の華"
後ろ回し蹴りの基本
決め技としてのバックスピンキック
相手に読まれないタイミング
受け崩しながらの攻撃
2種類のバックスピンキック
ザ・バックスピンキック総論

ザ・カラテ14.jpg

「USA大山空手 ザ・トータルパワー パーフェクトキック&テイクダウン」

COLOR GRAPH
THE TAKE DOWN1
[投げ]
THE TAKE DOWN2
[投げ]
THE TAKE DOWN3
[投げ〜総集編]
THE SIDE KICK1
[横蹴り]
THE SIDE KICK2
[横蹴り]
THE SIDE KICK3
[横蹴り]
THE HOOK KICK1
[カケ蹴り]
THE HOOK KICK2
[カケ蹴り]
THE HOOK KICK3
[カケ蹴り]
THE HOOK KICK4
[カケ蹴り]


 3冊あるのでどうしようかな…。 とりあえず思い付いたままに行きましょうか。
 茂先生はこう語ります。

 得意技ができたら、今度はどのようなタイプの人間にも通用するように工夫することはもちろんであるが、その型をまた、壊すことも必要なのである。
 自分の得意の技はこれだ、ときめてそこで研究が止まると、その技ばかりに頼るようになる。 必然的にその技できめてやろうと力みも出て、相手に読まれてしまう。
 稽古をすればするほど、自分の長短を発見し、これを補っていかねばならなくなるものである。 「必勝の型」も、自分の体力の変化や技の向上にともなって、日々変化していかなくてはならぬものである。
 一撃必殺は稽古の汗の中からしか生まれ得ないし、稽古をやめたら、消えてしまうものである。


 1冊目は全部突きがテーマです。 正拳の突き方、鍛え方など様々な使い方を披露してます。 印象深いのは止めまでの流れかな。 相手が道着だとは限らない、というのを前提にされているのか、髪を掴んで相手をコントロールする技術が非常に多いですw 髪を掴んで後頭部への膝とか、投げとか、突き技よりそっちの方に目が行ってしまうw

ザ・カラテ6.jpg

 突きをどう使うのかがテーマだったので、本項でのフィニッシュは殆ど投げか、後頭部への打撃となっています。 これが蹴りがテーマとなる2冊目では少し様相が違います。 メインは天才児と名高い大山泰彦先生になりますが、フィニッシュの形が必ずしも倒して終わる訳では無いという。 この蹴りはこう使ってみようと提示している感がありますね。
 個人的には下段蹴り、後ろ廻し蹴り、後ろ蹴りが勉強になりました。 特に、左の後ろ蹴りに行くと見せかけての右後ろ蹴り、これを見た時に結構練習して、台湾人で松濤館の初段とか言ってた奴と他流試合した時には人生で唯一、このフェイントから上段の後ろ蹴りを相手に入れたという経験がありますw

ザ・カラテ12.jpg

 複数パターンの後ろ廻し蹴りも良かったなぁ。 もう蹴れないだろうけど、真似して使い分けしてましたよ。 私の後ろ廻し蹴りや後ろ蹴りはこの本の成果と言っても過言では無いw あぁ、それから廻し受けを応用した閂からの膝蹴り、本書で憶えましたっけ。 大山道場直伝の技で、最近アメリカで出た八巻建弐先生のDVDでも同技が出てるみたいです。

ザ・カラテ9.jpg

 ちなみに茂先生の後ろ蹴りというのは相当なものだった様で、以前石井和義先生が、茂先生と二宮城光先生との組手を見た時に、この後ろ蹴りが判子で押した様に全く同じ所に何度も当てたとか。

 そして3冊目、横蹴りと掛け蹴りの解説がありますが、私個人としては投げ技編に注目したい所。
 大山道場時代は投げが当たり前に行われていたんですが、私なんかの時代だと、前蹴りを下段払いから足掛けして転がす以外は特に無かったので、ワクワクしながら読んだ物ですw 柔道じゃ無い、空手の理屈に向いた投げを知りたかったんですね。 では、US大山空手(当時)どんな指導をしているのか。

ザ・カラテ16.jpg

 我々の稽古では、柔道の投げ技のように何十種類も名称をつけた投げの型を稽古するというのではなく、大きく分けて2つの投げの型に分類する。
1,相手のそのままの構え、体勢を、自分の有利なポジションから投げる場合。 (足を払う、かける、首を巻き込む等)
2,崩して投げる。 (相手の構え、体勢を、引きつけ、押し込む、ヒネル、回す、しぼる等)
 相手のそのままの構えや体勢、又は崩して投げる場合も、相手を攻撃したり、または相手の攻撃、動きを受け、さそい投げる"型"に入るわけです。


 んで、先ほど説明した廻し受けですが、そのまま肘や肩を破壊する技も紹介されてますね。 コレ、やり方によっては肘や肩が壊れるので非常に危ない技。 廻し受けは受け技というより、本来は相手を崩しながらステップインする技術だと思いますが、この辺りはもう少し研究されてもいいんじゃないかなぁ。 「試合では使わないので、出来ません」とは言えないでしょう。

ザ・カラテ15.jpg

 大会は組織の一大イベントですが、試合外の技術についての掘り下げをもう少しやって欲しいな、と。 大山倍達総裁時代の「月刊パワー空手」でもあったでしょう、各支部長がルール外の闘いを想定して技術紹介するコーナーがw あぁいう部分は忘れないでいて欲しいものです。

 本書は技術の掘り下げを行う上で、良い指標になるんじゃないでしょうか。 見て試して、そこからまた新しい使い方が生まれると思います。
 残念ながら絶版書なので全部手に入れるのは難しいかも知れませんが、読んで損は無いかと。


 という事で大山茂先生監修の「ザ・カラテ」シリーズでした。
 連載中にマジでお世話になっていたので、思い入れがあります。
 まぁ、読み始めた頃は、「US大山空手? 極真じゃないの? あれ…帯は米国極真?」と混乱した物ですが、それも良い思い出かなw
 あぁやってやろう、こうやってやろうと思っていた頃を思い出しますねぇ。
 本書は半分以上がテイクダウンまでをフォローしてるので、使い方次第で総合にも応用出来るんじゃないかなぁ。

 ところで、待田京介先生の本「正拳の絆」ですが、4月末に発売が延期になりましたね。 大人しく待ちますが、早く読みたいっすw
 今回はここまで、それではまた。


参考文献:
ザ・カラテ [手技編] 月刊フルコンタクトKARATE別冊 大山茂監修 福昌堂 1989年
ザ・カラテ2 蹴り技編 月刊フルコンタクトKARATE別冊 大山茂監修 福昌堂 1991年
USA大山空手ザ・トータルパワー 月刊フルコンタクトKARATE別冊 大山茂監修 福昌堂 1994年









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コメント
大山茂先生のグローブみたいな正拳に憧れましたね。
us大山独特の、めちゃくちゃ気合いの入った表情が何とも言えず好きです。
両先生のような、本物の空手家が少なくなってきているようで少しさびしいですね。
  • kimura
  • 2014/03/24 11:10 AM
USA大山空手のビデオ最初に見た時は茂師範の強引な英語にびっくりしましたね。
ず~と真似して、道場でしゃべっていました。
  • てる
  • 2014/03/25 5:18 PM
>kimuraさん

10mくらい相手を吹っ飛ばした正拳ですからね、私も憧れましたw
基本に裏打ちされた技術こそ根幹であるという思想が好きですね。
そういった意味では今の空手家はちょっとスマート過ぎる感があります。

>てるさん

体と心で指導されるからいいんです!w
というか、指導員から海外に行かれた先生ってやっぱり強引な英語になるんじゃないですかね。
"Like this"とか言ってやってみせる方がいいですしw
  • Leo
  • 2014/03/28 2:50 PM
(゚Д゚)山下タダシは有名なのですか?
作中には山城しんごがでていますねw
  • ぬこやなぎ
  • 2014/04/04 7:50 PM
>ぬこやなぎさん

何か昔ミニカードとかありましたし、そこそこ有名だったんじゃないでしょうかw

アメリカだと、私が行った頃は一応アクション映画の棚に一通りあった記憶があります。
  • Leo
  • 2014/04/12 9:34 PM
ご無沙汰しています。
最近、記事が更新されておらず
寂しさを感じています。
茂師範も逝去されました。
leo様の深い記事で追悼出来ればと
思っています。
心待ちしています。
  • tama
  • 2016/03/27 9:36 PM
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