calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

categories

無料
無料
無料






archives

大山倍達マニアック検定

【レビュー?】蛭田達也監修「ファイターズ・バイブル」(1985年)

JUGEMテーマ:格闘技全般
 

 はい、今回は…多分一般書籍と漫画のコラボの先駆けとなる1冊じゃないですかね、蛭田達也先生監修の「ファイターズ・バイブル コータローまかりとおる! 最強格闘技の世界」を紹介します。

ファイターズバイブル3.jpg

 本書は「週刊少年マガジン」にて連載されていた蛭田先生の学園ラブコメ格闘アクション漫画「コータローまかりとおる!」を使いつつ格闘技に関する色々な事を説明した本ですね。 簡単に言うと、よくある格闘技ネタのコンビニ本の始祖かな。 もしくは宝島社のムックとかw


ファイターズバイブル1.jpg

 1982年より連載開始し、94年で一旦終了。 その後は柔道編とかあって、現在は休載中らしいです。 まぁ、単行本は全部読んでますけどね。

ファイターズバイブル2.jpg

 85年出版ですので、大体本編の第3部、D地区編が終わった辺りかな、登場人物紹介に応援団が出てないし。
 本書の主旨について、プロローグには こうあります。

 死と隣り合わせの命がけの芸術。 それゆえに武術家たちは命の尊さを、殴られた者の痛さを知っている。 これが格闘技だ。
 本書「ファイターズ・バイブル」は、そうした求道者たちの姿、足跡を、正しい目でとらえることを目的とした。 サイズこそコンパクトながら、可能な限りの格闘技紹介を試み、より多くの視点からこの世界を探ることで、その入り口を模索している。
 そして、それらの知識は「コータローまかりとおる!」のマンガ世界をさらに奥深いものにするだろう。 現実世界の格闘技知識を踏まえてこそ、新堂功太郎のスーパー・パワーの迫力が一段と感じられるはずだ。
 さあ、今、格闘技世界の扉が開く。


 んでは、目次。

    コータローイラストギャラリー
    世界の格闘技イラストマップ
    カラーハイライト
    プロローグ
■第一章■コータローまかりとおる!
    そのハチャメチャな世界!

        登場人物紹介
        学園紹介
        コータローの必殺技研究
        コータロー十番勝負
        対複数戦の格闘奥義
■第二章■いろいろあるぞ! 世界の格闘技紹介
        日本の古武道
        中国武術
        世界の格闘技
        世界の格闘技(スポーツ編)
        武器・武具
        最強格闘技研究
■第三章■最強男への道 その必要条件
        最強男指南
        肉体鍛錬法
■第四章■いろいろ知っておきたい格闘技の基礎知識
        格闘技の源流・歴史
        格闘技の科学
        護身術系格闘技
        護身術入門
        暗殺拳・隠し武器
        忍者・忍術
●特別付録
        蛭田達也インタビュー
        コータロー用語事典
        ビデオ紹介
        書籍紹介
        道場紹介
        防具・武具店紹介
        編集後記


 本書のガイドとなっている「コータローまかりとおる!」の主人公・新堂功太郎は、実家の空手と…忍術を使う超高校生級の身体能力と才能を持っており、スケベでスカートめくりや覗き、パンティ集めを趣味としており、抜群のリズム感を持っていて、プロのバンドでドラムを演奏するというマルチスキルを発揮するという、学業以外は無敵なキャラですw

ファイターズバイブル5.jpg

 特に軽快なテンポに裏打ちされたアクションやギャグは長らく「週刊少年マガジン」を支えました。 ちょうど梶原一騎先生による格闘技ブームが一段落して、ジャッキー・チェンを中心とした環境を存分に活かした新世代のアクション映画や「週刊少年サンデー」辺りから台頭したラブコメ要素を加味した、何でもありな漫画ですが、割と好きでしたねぇ。

 と、第一章では「コータローまかりとおる!」の紹介なんですが、第二章は日本の武術や世界の武術を紹介してます。

ファイターズバイブル6.jpg

 とは言え、インターネットすら無い時代の話、編集後記によれば関わったスタッフは大使館まで回って情報収集したそうですが、大使館も別段自国の伝統格闘技に詳しい訳じゃないですしね、例えばカポエイラ(本文中はカポエラ)についてはこんな記述がありました。

 とはいえ、現在日本で実際にカポエラを身につけようとするのは難しい。 自分で逆立ち歩きから始めるしかない。

 以前紹介した通り、カポエイラの基本はジンガと呼ばれる三角形を描く歩法で、逆立ちは技術体系の一部分でしかありません。 しかしこの時代では正確な情報を得るのが困難でこういう説明になったんでしょう。 ちなみに後に「コータローまかりとおる!」にカポエイラが登場した時にはもっとちゃんとした描写になってましたw
 何せ総合格闘技が生まれる前ですから、日本拳法もさらっと「打突系」と紹介する程度で、まだシューティングもUWFも載ってません。 しかし武具の紹介は短いながらも詰め込めるだけ詰め込んだという感じで、数だけは大量で載ってますね。

ファイターズバイブル7.jpg

 それから、第二章後半に載ってる最強格闘技について真面目に考察するパートは中々興味深いですね。 打撃系をメインとした格闘技に軍配を挙げていますが、組技系との融合についても考えられています。 打撃系と組技系のつなぎをどうするかが課題となっているのには先進性があり面白いです。 それぞれこの格闘技からこの手の技を導入して、融合させたら最強だ!と贅沢な結論になってますけど、この80年代中頃からの総合格闘技におけるアイデアは、皆同じ方向に向いていた、という事になりますかね。 器用貧乏になりかねませんが、何でも出来る人間が強いという発想が根底にあります。

 第三章は、最強を目指す為に必要な事柄を書いた指南書ですね。 さらりと大切な事を書いてあったりする章ですが、特定の条件下で最強を目指す格闘競技の話なのか、ランダムな条件下においてもトータル的な護身を目指す武術の話なのか、些かテーマが絞り切れていない模様。

ファイターズバイブル8.jpg

 まぁ、当時は「空手バカ一代」の影響もありますけど、武術家から見ればともかく、格闘競技者も割とイコールに考えていたでしょうから、致し方ないかと。

 第四章は…冒頭が格闘技の源流や歴史のコーナーなんですが、別にこの章に入れなくても、第二章の世界の格闘技紹介で扱えば良かったのに、と思いますw
 まぁ、一番まとまりの無い章ですねw グローブと素手の違いとか、戦術的な話を書いたかと思ったら、護身術講座、暗器とまぁ、コメントにも苦労します。

ファイターズバイブル10.jpg

 格闘技の基礎知識というテーマになっているんですけど、そういうのは冒頭に持ってくるべきじゃないかなぁ。 だけど、 基礎知識かな?というそもそもの疑問がw

 そして、最終章は再び「コータローまかりとおる!」に戻って、作者の蛭田達也先生のインタビューと用語集ですね。 自身の原点とか今後の構想など色々語られています。

  現在となっては80年代後半のUWFブーム以前の書籍ですから、純粋に武道書としてみればちょっと物足りない気がしますが、「コータローまかりとおる!」ファンにはおすすめです。 本編にもネタとして使われてますしw

ファイターズバイブル.jpg


 という事で「ファイターズ・バイブル コータローまかりとおる! 最強格闘技の世界」でした。
 約30年前の格闘技ムック本的なものですから、何らかの資料的価値がある訳ではありませんが、当時は斬新だったんじゃないですかね。 私が読んだのは出版の4〜5年後に古本屋でゲットした頃だったかな。
 今読むと本書で使われた絵のいくつかはあの本の写真から描き起こした奴だなぁとか、嫌な読み方をしてしまいますけどw

ファイターズバイブル9.jpg
この絵の元ネタは、分かる人には分かる

 私が初めて「コータローまかりとおる!」を読んだのは単行本で12巻くらいまで出てた頃でしょうか。 私個人の格闘漫画の原点は多分「月刊コロコロコミック」で連載してた「ドラゴン拳」ですが、当時は頻繁に登場するサービスカットw や軽快なアクションに心惹かれて読みふけったものです。
 劇場版も後にビデオで見ましたね。 何かミュージカルみたいな作品でしたが、JAC総出演という作品でした。
 久々に全巻読もうかなって気になって来たので、今回はここまで。
 それでは、また。

参考文献:
コータローまかりとおる! 第1巻 蛭田達也著 講談社 1983年
ファイターズ・バイブル コータローまかりとおる! 最強格闘技の世界 蛭田達也監修 講談社 1985年
コータローまかりとおる! 第18巻 蛭田達也著 講談社 1986年
新・コータローまかりとおる! 第1巻 蛭田達也著 講談社 1995年
コータローまかりとおる!L 第1巻 蛭田達也著 講談社 2001年










東京・池袋の武道具専門店 ブドウショップ



フレッツ光で最大106,000円キャッシュバック実施中!





コメント
『ファイターズ・バイブル」、懐かしいですね。
確か、当時、武道ライターとして活躍されていた竹内海四郎さんが中心となって企画された本だったようですね。コータローの書き下ろしイラストも多数あって、蛭田先生が「まだ」やる気十分だった頃ですねw 当時としてはまさにバイブルと言えるできだったように思うのですが、まだUWFなどの前だったんですね。そんな時期にこの企画が通るとは、さすが、講談社です。
  • とおりすがりのマニア
  • 2014/08/19 11:41 AM
おお?なんとコータローを此処で見るとは。
自分は確か柔道編までしか読んでないですね。
幼なじみでヒロインの真由美ちゃんには胸キュンでした。

>この絵の元ネタは
まだ出版社とも懇意だったのが伺われますねw。
  • サミ
  • 2014/08/21 7:30 PM
このイラストは某○段先生の名著を思い出してしまいますね(笑 反射的にww
  • ひそひそ話
  • 2014/08/22 11:23 AM
>とおりすがりのマニアさん

後書きを見ると、竹内さんは後からアドバイザーとして入って来られたみたいな記述でしたが、氏の人脈で古流の取材とか出来たのかなぁとか思いながら読み返しましたw
UWF以前の格闘技界の雰囲気が伝わる、ちょっと異色の本かも知れませんね。

>サミさん、ひそひそ話さん

描きたい物を描いた!という感じの作品ですが、色々な漫画に大なり小なり、影響を与えている気がします。

イラストの元ネタも一応参考文献として載ってはいるんですけど、ちょっと面白くて取り上げてみましたw
  • Leo
  • 2014/08/23 9:37 AM
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック