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大山倍達マニアック検定

極真会館主催 第14回全日本空手道選手権大会 (1982年)

JUGEMテーマ:空手
 


 あけましておめでとうございます。
 何だかんだと続いてるこのブログですが、これからも末永く、無理せずのんびりやって行く所存でありますw
 今年出来れば良いなぁと思っている事はいくつかありますけど、何か要望とかありましたら実現出来るか分かりませんが、行ないたいと思いますので、コメント欄にでも書いて下さい。

第14回全日本1.jpg

 で、今年の1発目は1982年11月13日〜14日に開催された極真会館主催の第14回オープントーナメント全日本空手道選手権大会をレビューしたいと思います。 あ、ついでに今回から羊頭狗肉っぽいタイトルだった「プログラム」を外しましたw
 以下敬称略。
 


 今大会は84年1月に第3回世界大会を予定している事もあってか、海外からも12名の選手が参加するなど、プレ世界大会の様相を呈しています。 しかし今大会2連覇中の三瓶啓二、そして捲土重来を期すか、全世界大会覇者の中村誠。 この2人を中心として例年の様に上位入賞を果たしヤングパワーを見せる松井章圭、竹山晴友、為永隆、三好一男、この辺りが優勝候補だったでしょう。

第14回全日本2.jpg
2万人の観衆が押し寄せた

 上位入賞が期待されていたのは石川支部出身で昨年三瓶啓二相手に大激戦を繰り広げた水口敏夫、増田章、久々に全日本に帰って来た鹿児島支部長の竹和也、城西支部長の山田雅俊、前田政利、脇内勉、アメリカ帰りの島良一、本部期待の重量級選手七戸康博、そして昨年の健闘振りを大絶賛された"風格ある他流派"田中正文辺りです。

  まずは1日目、Aブロック。 ゼッケン1番でマットに上がった島良一はオーストラリアのミッシェル・バーカーと対戦し下段廻し蹴りで技ありを奪い本戦5-0の判定で勝利。 本部内弟子の三村忠司は今大会最年長、31歳の大濱博幸に延長5-0で勝つ。
 オーストラリアで修業を積んで来た竹山晴友は高木浩本戦5-0の危なげない勝利を得、三好一男も岡田昭仁に本戦5-0と、Aブロック優勝候補勢は順当に勝ち上がる。
 身長185cmの超大型選手として期待されていた七戸康博は、千葉大会で準優勝の佐藤竜也と対戦し、本戦4-0と、苦いデビュー戦となった。

第14回全日本4.jpg
田畑繁VS小林悟

 Bブロックは、まずは脇内勉が上地勝浩に本戦5-0の判定勝利を得る。 為永隆は伊藤藤行に延長2回と苦戦するも、最後は中段突きで合わせ一本勝ちを取り、一息付いた。
 3連覇の掛かる三瓶啓二はBブロック最終試合に登場し、立崎孝行と対戦。 本戦5-0と順当に勝ちはしたが、立崎の蹴りが右の掌に掛かった際に爪で動脈を切り腫れ上がり、拳が握れない状況に陥った。 主武器の右拳が握れないとあって、早くも3連覇への赤信号が灯った。

第14回全日本6.jpg

 Cブロック、188cmの北海道支部が誇る超大型選手、外舘慎一は183cmの福岡の豊福光義と対戦、延長で5-0と豊福に凱歌が上がった。 千葉大会覇者の柿沼英明は金山裕文と対戦し体重判定で辛勝。
 昨年の活躍から今大会での躍進が期待される増田章は小林大作と対戦し本戦3-0で勝利。 若手筆頭の松井章圭は金山成男に上段廻し蹴りで技ありを奪い、本戦5-0の圧勝。
 若獅子寮々長の秦貴典はカナダから来日したスチュアート・コリガルと対戦氏、延長で5-0と、本部内弟子の意地を見せる。 鹿児島支部長の竹和也は木村正義に本戦5-0と、往年の冴えを見せる。

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柳渡聖人VS末吉明司

 Dブロック、水口敏夫は渡辺茂に上段廻し蹴りで技ありを奪い本戦5-0で勝利。 前田政利は富澤敏広から右下段廻し蹴りと左上段廻し蹴りでそれぞれ技ありを奪い快勝。
 三瓶が負傷した今、最有力優勝候補となった中村誠は、秋月哲明から上段廻し蹴りで一本と、好調振りをアピール。

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中村誠VS秋月哲明

 大会最年長31歳の田中正文は10歳下の 関口渉と乱打戦を行ない、若さに押されたか、本戦5-0で涙を呑んだ。

 2回戦、Aブロックの島と福田勇の対戦は、島の顔面殴打による反則が祟り、本戦4-0で早くも散る。
 竹山晴友は松下利男と対戦し、本戦5-0で勝利。 三好は中村宏から左上段廻し蹴りで一本を奪い、2日目へとコマを進める。
 "極真の瀬古"(数々の国際大会で優勝したマラソン選手の瀬古利彦)こと田畑繁は北本久也を破って勝ち上がった三和純と大激戦を繰り広げ、延長4回3-2で辛うじて三和が勝ち残った。

第14回全日本8.jpg
佐藤竜也VS和田道智明

 Bブロック、脇内は池谷和憲と延長まで闘い、3-0で勝利。 一回戦で技あり判定勝ちを修めた岡崎寛人は、川口芳幸と対戦し、延長で中段突き一本の快勝。

第14回全日本7.jpg
岡崎寛人VS川口芳幸

 番狂わせは為永隆と山岡哲基の試合で起こった。 全日本3位の実績ある為永は、群馬大会準優勝の山岡を相手に大苦戦を強いられる。 耳と口が不自由だというハンデを抱えた山岡は、臆する事無く為永に挑み、本戦5-0で勝利を奪い取った。
 韓国の空手協会(テコンドーでは無い)から参戦した金承鎬と対戦したのは阿部清志だったが、韓国選手得意の蹴り技のお株を奪う様な後ろ蹴りで16秒で阿部が一本勝ちを果たした。
 負傷した三瓶は藤田耕太郎と対戦し、中段突きで技ありを奪い本戦5-0で勝利。 一見拳は問題無い様にも見える。

 Cブロックの2回戦。 増田は佐藤高弘と対戦し、本戦5-0で勝利。 松井は松本英樹から下段突きで技ありと順調。
 湯沢元美と1回戦ではキックボクシング歴5年という末吉明司から中段回し蹴りで一本を取って勝ち上がった柳渡聖人の対戦。 粘る柳渡を延長3回、判定5-0で湯沢が下す。
 竹は渡辺和貴を相手に本戦4-0で竹の勝利。

 Dブロック。 水口は本戦3-0で岸田三利に勝利。 前田は石井豊に下段廻し蹴りで技ありを奪い、本戦5-0で3回戦へ。

第14回全日本9.jpg
前田政利VS石井豊

 中村は千葉信悟と対戦。 伸び伸びと闘う千葉が粘り、延長で4-0と中村が順当に勝つ。
 1回戦を闘った記憶が無くなるほど緊張していたブラジルのアデミール・ダ・コスタは、西川浩昭と対戦。 第2回世界大会にも出場しているコスタは正拳突きで合わせ一本勝ちとなり、注目の的となった。

 2日目に勝ち残った選手は以下の32名。

Aブロック:福田勇、三村忠司、木元正資、竹山晴友、三好一男、三和純、佐藤竜也、山田雅俊
Bブロック:脇内勉、田原敬三、岡崎寛人、中村金四郎、山岡哲基、秋月康夫、阿部清志、三瓶啓二
Cブロック:原澤正行、蒲池光治、柿沼英明、増田章、松井章圭、辻原和秀、湯沢元美、竹和也
Dブロック:水口敏夫、森憲義、ジャガータ・ゴーチャン、前田政利、中村誠、国本武市、関口渉、アデミール・ダ・コスタ


 2日目、右手に包帯を巻いた三瓶が来場し、記者が「優勝、狙っていますか」と聞くと「とんでもない、誠さんじゃないの!?」と返すなど、不安を感じさせるコメントを残す。
 3回戦が始まる前に正拳と足刀の試し割りが行なわれるが、三瓶は上手く拳が握れないのか、4枚を試割りを失敗する。 辛うじて、3枚を成功するが、この時に更に拳を痛めた。 解説の廬山初雄の見立てでは骨折の可能性もあるとの事であったが、痛みに堪える三瓶の姿を見て、優勝候補から外す事も視野に入れた人間も多かっただろう。

 3回戦Aブロックは福田と三村が対戦、本戦5-0で三村の勝利。 昨年は負傷によりリタイアした木元は竹山と当たり、善戦するも本戦3-0で敗北する。

第14回全日本11.jpg
竹山晴友VS木元正資

 後に"闘将"と呼ばれる様になる木元は、昨年に引き続き、今年も流血戦で試合を終えた。
 三好は三和と対戦し、4-0で2日目初戦を制し、山田は佐藤を得意の下段廻し蹴りで一本を取る。

第14回全日本12.jpg
三和純VS三好一男

 Bブロック、年々実力を上げている田原を脇内が延長4-0で下すが、中村金と岡崎の試合は、骨折による不戦勝で中村金が4回戦へと進んだ。
 初日の勢いが続く山岡は秋月から中段前蹴りで技ありを奪い、本戦5-0で山岡の勝利。 負傷の気になる三瓶だったが、足技主体の組手に切り替えた三瓶が、阿部から30秒で下段廻し蹴り一本を取ってあっさりと勝ち上がった。

 Cブロック、原澤と蒲池の対戦は左の中段突きで蒲池が原澤を下す。
 柿沼と増田の試合は千葉県王者の柿沼が粘るも、増田がそれを押さえ込み、本戦4-0で増田が4回戦に勝ち上がる。
 松井と辻原の対戦は、松井が危なげなく本戦5-0で3回戦を突破。 湯沢と竹の対戦は、「金属バット折り」で定評のある竹の下段廻し蹴りが炸裂し、下段、中段回し蹴りの合わせ一本勝ちとなった。

第14回全日本10.jpg
湯沢元美VS竹和也

 Dブロック、水口と森の試合は本戦4-0で水口が勝利を収め、前田はネパールのゴーチャン相手に延長までもつれ込み、ここで下段廻し蹴りで技ありを奪い、前田の順当勝ち。
 中村誠は国本と当たり、延長2回まで国本が粘る。 中村は前に出るが、押し切れず、結局下段廻し蹴りで国本を突き放し、技あり判定勝ちとなった。
 コスタは関口と対戦し、回り込むフットワークからの下段廻し蹴りで技ありを奪い、本戦で勝利。 次は世界王者中村誠との試合であり、どこまで健闘出来るか多いに期待される。

 4回戦に進んだ選手は以下の通り。
Aブロック:三村忠司、竹山晴友、三好一男、山田雅俊
Bブロック:脇内勉、中村金四郎、山岡哲基、三瓶啓二
Cブロック:蒲池光治、増田章、松井章圭、竹和也
Dブロック:水口敏夫、前田政利、中村誠、アデミール・ダ・コスタ


 ここで勝てば入賞となる最後の難関、Aブロック4回戦はまず竹山、三村の本部内弟子勢。 身長差はさほど無いものの、体重で10kg近く竹山が重い。 1年後輩の三村も善戦するが、強烈な突きを武器に前進する竹山を抑えられない。 胸元に入る打ち下ろしの突きで竹山が技ありを取るが、間もなく本戦終了、竹山が圧勝した。

第14回全日本18.jpg
三村忠司VS竹山晴友

 城西支部長の山田は三好と対戦。 互いに一歩も引かない大激戦で延長3回まで縺れ込む。 しかし決着が付かないという判断からか、有効体重差10kgに満たない、7kg差だったにもかかわらず、体重判定で三好が辛勝した。

第14回全日本15.jpg
山田雅俊VS三好一男

 Bブロック。 158cm、通信教育から空手を始めた中村金と脇内の試合は、身長で大きく劣る中村金は左の突きで果敢に攻め込む。

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脇内勉VS中村金四郎

 一方の脇内はこういう対戦相手に慣れていないのか、本戦では有効打が出ず、脇内に旗が1本のみ。 延長でも同じ展開かと思われたが、脇内の左の三日月蹴りが決まり、一本勝ちとなった。
 今大会2回戦で大金星を挙げた山岡に対するは3連覇の掛かる三瓶。 右手を故障している三瓶は開幕早々素速い上段廻し蹴りを繰り出す。

第14回全日本20.jpg
山岡哲基VS三瓶啓二

 フェイントを交えつつ蹴りを多用する三瓶に有効な技を出せない山岡。 やがて左の中段廻し蹴りが山岡の脇を抉り、三瓶の一本勝ち。

 Cブロック4回戦。 蒲池と増田の試合は、昨年より更に成長した増田が前蹴りで技ありを取り、本戦5-0で勝利。 初の入賞を果たす。

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増田章VS蒲池光治

 若手筆頭の松井と古豪の竹の対戦は延長2回まで縺れ込むが、ここで3-0の判定で粘るベテランを突き放した。

第14回全日本13.jpg
竹和也VS松井章圭

 Dブロック、水口と前田、互いに勢いに乗る選手同士の対決だったが、昨年の三瓶戦を経て大きく自信を持った水口が前田を圧倒し、本戦4-0で水口がベスト8進出を果たした。

第14回全日本14.jpg
前田政利VS水口敏夫

注目の中村誠、南米のコスタ戦は、予想以上の好試合となった。 左右に廻りながら中村の突進を躱し、上段の蹴りを繰り出すコスタを攻め切れない。 延長2回、体重差では負けている中村が必死追い込むが、コスタも有効打を与えられない。 焦ったのか、中村は反則の顔面殴打を連発してしまう。 軽快なサイドステップを見せるコスタを追い切れないまま延長2回が終了。

第14回全日本21.jpg
中村誠VSアデミール・ダ・コスタ

 反則が祟ったのか、3-0でコスタに旗が挙がる。 現役世界王者の、そして三誠時代の終焉を感じ、観衆が大きく沸いた。 第11回大会から続く2強の時代は、ここで幕を下ろした。

第14回全日本22.jpg

 ベスト8に進出したのは以下の選手。
Aブロック:竹山晴友、三好一男
Bブロック:脇内勉、三瓶啓二
Cブロック:増田章、松井章圭
Dブロック:水口敏夫、アデミール・ダ・コスタ


 Aブロック決勝、竹山、三好の同門対決は互いに強い突きで打ち合うも、決定打が無い。 結局延長3回を終え、体重で5kg軽く、試し割りで1枚勝る三好が準決勝へコマを進めた。

第14回全日本32.jpg
竹山晴友VS三好一男

 Bブロック、三瓶と脇内の対戦。 流石に負傷した右手も使わねば厳しい相手とあってか、三瓶も果敢に突きを繰り出す。

第14回全日本23.jpg
三瓶啓二VS脇内勉

 脇内は気圧されたのか、後ろに下がり気味。 右中段突きからの左の下突きで脇内から技ありを奪うと、更に手の出なくなった脇内を追い込み、本戦5-0で決勝まで後一歩まで来た。

 Cブロックの決勝は、増田と松井の新鋭同士の対決。 控室でも「やれたらいいですね」と互いに健闘を誓い合っていた二人の対戦は、一気呵成に攻める増田とそれを返す松井という展開。 強烈な松井の右後ろ廻し蹴りを顔面に食らい、増田が大きく崩れるが、バランスを崩した松井に技ありは与えられなかった。

第14回全日本24.jpg
松井章圭VS増田章

 このまま一進一退の攻防を繰り広げ、延長3回まで来ると、松井の方に疲弊の色が見えるが、キレの落ちない蹴りで増田ぐらつかせる。 結局互いに譲らないまま、旗が松井に2本挙がったものの、有効判定数に届かず、体重で4kg軽く、試し割りで2枚多い松井が辛勝した。

第14回全日本25.jpg
体重計に載る増田章

 しかし勝った松井ももう1回延長をやりたかったと些か不満げ。

 Dブロック最後の椅子は水口とコスタで争った。 今大会若手優勝候補の水口はアグレッシブにコスタを攻め立てる。 中村誠を下したコスタだが、水口も負けていない。 蹴りが目立っていたコスタだが、下突きも強烈で、水口を苦しめる。

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水口敏夫VSアデミール・ダ・コスタ

 延長3回、左の後ろ蹴りで水口が尻餅を付かされる危ない局面もあったが、決着付かず。 試し割り数は互いに17枚、体重差で水口が2kg軽く、コスタを退けた。 来る第3回世界大会へ向けて、この南米の若武者の試合振りは、見る者に大きな脅威を与えた事だろう。

 準決勝に勝ち上がった選手は以下の4名。
三好一男、三瓶啓二、松井章圭、水口敏夫

 JAC所属の俳優、真田広之の演武が終わると、準決勝が始まった。

第14回全日本29.jpg
真田広之

 まずは三瓶と三好の対戦。 先輩後輩として、構えも似た2人の対戦は蹴りを中心に三瓶が攻め、三好が突きを返す展開。 本戦は勝敗付かず、延長に入ると、上段後ろ廻し蹴りと左の前蹴りを連発する三瓶の前に、左前蹴りで膝を着く三好。 これが技ありとなるが、三瓶は引き続き蹴りで攻める。 巧みなディフェンスと強烈な突き、下段蹴りで知られた三瓶だったが、今大会でオールラウンダーとしての上手さを見せ、三好は手が出ない。

第14回全日本27.jpg
三好一男VS三瓶啓二

 延長1回で5-0と、技あり優勢勝ちの三瓶が、3連覇に王手を掛けた。 今大会の三瓶は突きで技あり2つ、中段蹴りで一本勝ち2つと技あり1つ。 決勝までの判定決着は1回戦のみという驚異的な試合運びで怪我の影響を見せない。

 準決勝第2試合。 松井と水口の三瓶への挑戦権を賭けた試合は、静かな立ち上がりを見せた。 突きで水口、蹴りで松井に分があるが、水口の蹴りも鋭く重い。 胸を突き合う展開も少なく、数合斬り結んでは再び対峙する、そんな試合だったが、結局延長3回まで決着付かず、4kg差、試し割りで3枚勝った水口が松井を退けた。

第14回全日本28.jpg
水口敏夫VS松井章圭

 3位決定戦。 全日本デビュー戦から毎年当たる三好、松井のライバル対決は今まで松井の2勝。 今度こそ負けられない三好は大激戦となった。 今大会、延長3回以上は無い様に運営されていたが、特例の延長4回にもつれ込み、ここで松井が三好を突き放し、5-0で松井の勝利。 3度目の対決も、松井が制した。

 決勝、準決勝では温存していた三瓶の豪快な下突きが火を噴く。水口は蹴りで活路を見出したいが、突きで追い詰められる。

第14回全日本30.jpg
三瓶啓二VS水口敏夫

 強烈な突きの前に水口の突きが出なくなり、蹴りを返すが、三瓶も後ろ廻し蹴りで流れを断ち切る。 そしてここで試合終了の太鼓が響き、本戦5-0の判定で三瓶が史上初の3連覇を果たした。

第14回全日本31.jpg
                          
優勝:三瓶啓二
2位:水口敏夫
3位:松井章圭
4位:三好一男
5位:竹山晴友
6位:アデミール・ダ・コスタ
7位:脇内勉
8位:増田章

新人賞:山岡哲基
敢闘賞:アデミール・ダ・コスタ、増田章


 大山倍達総評:

第14回全日本17.jpg

 14回の年輪を重ねた全日本空手道選手権大会。 年を追うごとに観衆もふえ、またその内容においても充実の度を加えてきましたが、なるほど、今大会ほど血湧き肉躍る好試合が続いた大会も私の記憶にはありません。 現時点においては「最高の試合だった」と評してもよいかと思います。
 総括しますに、今大会で特に目についた点は、「全国各支部のレベルアップ」、「若い力の台頭」、「(一部の)外人の急成長」、以上の三つに絞られます。

 (中略)
 私はこうした若いヒーロー群像たちが新時代の極真の担い手になると、半ば期待を込めて確信しています。
 (中略)
 …こうしてみると、今、極真カラテは若返りの時期に入ったと見做せるようです。 中村誠君が4回戦で姿を消したことからも、こうした時代の波ははっきりわかります。
 が、ここにもしベテランの意地を見せた人物がいたとするならば、それは前人未踏の三連覇の偉業を達成した"ガッツの塊"三瓶啓二君ではなかったか。 右手の負傷を押して三たび栄冠をかち得、自らの黄金時代を築いた日本のエース三瓶君に、このマス大山は最大の賛辞を贈りたいと思う。
 私は常々言ってきました。
 「1年くらいだったらチャンピオンは運だけでも取れる。 三年連続して優勝しないと真の王者とは言えない。 だから君も三連覇しなくちゃダメだよ」と。
 師の過酷な注文に三瓶君はよくぞ応えてくれた。 頭の下がる思いがする。 あとに続く後輩たちは、陳腐な言葉になってしまうが、ぜひともあの三瓶君の根性を見習ってほしい。

 (中略)
 ローマは一日にしてならず――。 選手の皆さん、そして明日の大会出場を目指す方々には、今後も地道な精進研鑽を積んで、覇者王道をまっしぐらに歩んでいただきたいと思います。
 最後になりましたが、大会運営・進行その他に携っていただいたすべての方々に、改めて感謝の意を捧げます。 ありがとうございました。 押忍!



 という事で、2015年最初の記事(雑誌紹介を除くw)は、1982年の第14回全日本大会でした。
 この辺りからですかね、地方支部の下克上は。 地方支部が増え、また地方大会やブロック大会が増える事で、地方選手の方がキャリアを積み上げ始めたのは77年頃からになりますが、それから5年も経つと、稽古内容にも変化が出て来る頃でしょう。 特にこれ以降、首都圏でも交流試合が始まり、またウェイト制大会が始まったりと、選手のトレーニング方法も、戦術も、着実にレベルアップして行きます。
 勝つ為に何が必要か、これまでは各選手が各々試行錯誤して取り組んで来た事が、支部単位で蓄積される様になる訳ですね。 この蓄積は選手として実際に試行錯誤して来た支部長を中心に、早くも翌年の第15回大会から現われる事になります。

 今年も色々やって行きたいな、とは思いますが、ウチは結構レビューでも下調べをしちゃうほど手間が掛かってるので、中々ペースが上がりませんw
 しかし51年目の極真に対して、何か出来ればいいなと思いつつ、今回はここまで。
 それでは、拙いブログではありますが、今年も宜しく御願い致します。


※追記(2015/1/13):一部画像を間違えていたので、修正しました。

参考文献:
第14回オープントーナメント全日本空手道選手権大会プログラム 財団法人極真奨学会 1982年
月刊パワー空手 1983年1月号 パワー空手出版社 1982年
極真カラテ年鑑 第3号 大山倍達監修、国際空手道極真会館編 講談社 1982年

参考映像:
第14回オープントーナメント全日本空手道選手権大会 テレビ東京 1982年









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コメント
新年おめでとうございます。
今年もブログ記事楽しみにお待ちおります。

おお!大山倍達館長のサイン入りですか!これは凄い。

三瓶先生の試合は悲壮感が有り下突きのラッシュと下段蹴りの印象が強いです。

でも道場では上段回し等も当てていたと聞いた事が有り驚いた記憶があります。

近年、月刊秘伝にてご健勝の姿を拝見し当記事とあわせて懐かしく思いました。

それにしても三連覇は凄い記録ですね。
  • サミ
  • 2015/01/13 10:25 PM
>サミさん

今年も宜しく御願い致します。
パンフは大山総裁のサイン入りしか持ってませんでしたw

今大会の三瓶先生は、後ろ廻し蹴りからの中段蹴りを効果的に使い、今までのスタイルとは違うスタイルで見事に勝ち上がっていました。
ディフェンスの巧みさに加え、近距離での上段への蹴りと中段への蹴りで散らし、圧倒していましたね。
会場でご覧になった方は結構驚いたんじゃないかと思いますw
  • Leo
  • 2015/01/13 11:37 PM

 松井選手と二回戦で対戦した松本英樹選手は、現英武舘代表の松本先生でしょうか?
  • 万年緑帯
  • 2015/01/15 11:32 AM
>万年緑帯さん

誰か聞いて来るかとは思いましたけど違いますw
こちらの松本選手は山口の方ですね。
  • Leo
  • 2015/01/15 10:48 PM

>Leoさん 
 
 ご回答ありがとうございます。

 ところで、松本先生は極真の大会に出場されたことがあるのでしょうか?
  • 万年緑帯
  • 2015/01/15 11:45 PM
松本氏は大会には出てないはずです。昔大会ルール下の試合には異論を唱えてました。芦原英幸に付き添って喧嘩させられてたから考えがそっち側だったのでしょう。
  • やいや
  • 2015/01/16 4:36 PM
印象深い大会でした。朝のニュースでダイジェストしていた記憶があります。水口選手対松井選手、水口選手のセコンドの声で「後ろ回しだけ気をつけろ&#8252;&#65038;」と聞こえたり アデミールの回し蹴りを食らってた中村選手。それにしても三瓶選手は素晴らしかったと思います。大会出場し始めて約7年、敵なし感ありました。
では、今年もブログ楽しみにしています。
ありがとうございました。

  • 極真ファン
  • 2015/01/16 9:16 PM
>万年緑帯さん

やいやさんの言う通り、出場されてないと思います。

>極真ファンさん

この大会の映像を見ると、三瓶先生も今まで一番充実した様な感がありましたね。
主武器である拳の負傷が、逆に一つに捕らわれず、伸び伸びと過去の経験を生かした組手を全う出来た理由なのかも知れませんね。
  • Leo
  • 2015/01/17 2:58 PM
元群馬支部です。何十年ぶりかに山岡哲基先輩の名を見て感激しております!
直接ご指導して頂いたことはありませんが大会での山岡先輩は本当に強かった。
一発一発がまさに凶器。相手が立っていられないんですよw
あれでハンデを持っておられるのですから・・・
当時中学生の私にとって本や雑誌でしか知らないあまたの達人より山岡先輩こそ最強の男でした。
懐かしい気持ちになりました。ありがとうございました!
  • 朱子
  • 2015/01/28 6:07 PM
>朱子さん

その後、どうされているのかと思い調べたんですが、今、山岡先生は群馬県佐波郡玉村町で分支部長をされているんですよね。
壮健な様で、益々感嘆しました。

  • Leo
  • 2015/02/02 8:36 PM
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