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大山倍達マニアック検定

極真会館監修「巨人 大山倍達の肖像 ーゴッドハンドの軌跡ー」(1984年)

JUGEMテーマ:空手
 
 それでは、2011年最後の更新となりますね。 今回は写真集「巨人 大山倍達の肖像 ーゴッドハンドの軌跡ー」をご紹介致します。
 この本は大山倍達総裁の人生の記録となるアルバムになっており、幼年期から本書発刊時までを彩っています。

巨人大山倍達の肖像1.jpg

 修業時代や現役時代、そして大山総裁の交友関係が分かる様な写真も多く収録されており、私の様な調査好きには大変役立ちます。






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大山倍達著 「闘魂」 初版/改訂版(1972年)

JUGEMテーマ:空手
 
 さて、当ブログでは大体3つのカテゴリで運用されており、雑誌や書籍の紹介、古資料の発掘/書き起こし、そして調査/研究となっています。 この内、前の2つはいくらでもネタがあるのですが、調査/研究となると、下準備として関連資料を集め、時系列に並べ替え、記事に起こすという手間がありますので、そんなにサクサクと書けません。
 現在調査を進めているネタは、第1回全日本大会と東勝熊、そして渡辺勇次郎です。 第1回全日本と渡辺勇次郎に関しては、まだいくつか欲しい資料が足りませんが、東勝熊に関しては大体揃いましたので、来月中には書きたいと思います。

闘魂初版(青).jpg
「闘魂」初版

 という事で、今回は1972年に発売された大山倍達著「闘魂」をご紹介します。 当時の大山倍達本は、ちょうど「出せば売れる」時代になりつつある頃ですので、私の手元にある4冊の「闘魂」で一番新しい物は、32版目となっています。 増版が何部かは知りませんが、ミニマムの3000部で計算しても10万部弱は発行されたという事になりますね。 ちなみに大半の武道書は初版刷りのみだったりしますので、全国の書店数よりも少ない3000部〜8000部しか現存しなかったりします。 一番良いのは「○○スポーツシリーズ」みたいな1シリーズの中に入っちゃう事ですね。 これだと偶に改訂とか新装されますが、割と長い事書店に残ります。






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大山倍達著 "What is Karate?" (補足版)

JUGEMテーマ:空手
 今回は以前書いた記事、

大山倍達著 ”What is karate?”

whatiskarate1.jpg
の補足編です。
 本編には初版、改訂版、新装版、完全新装版の各目次と画像しかありませんので、興味の無い方はスルーした方が良いかもしれませんw







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大山倍達の少年向け技術書 2(1972年〜1985年出版分)

JUGEMテーマ:空手

 さて、当ブログも10万突破(携帯からのアクセスはカウント不可)という事で、記事ももうすぐ100件行くんですよねぇ。 個人的には100号記念と言えば「月刊パワー空手」な訳ですが、何かやろうかな? とも考えております。
 とりあえず久々、大山倍達総裁の少年向け極真空手の技術書の続きをやります。 …流石に3冊全部の目次を書くとすげー長くなりましたw でも最初の方でやった書評とか目次無いんですよね。 書き足そうかなぁ。

護身術手帳.jpg

 まずは激レア「大山八段のウルトラ護身術手帳」ですね。 1971年に始まった極真の通信教育「マス大山カラテスクール」にて通販してた小冊子です。 この時点までに出た技術書や「マス大山カラテスクール」のテキストの画像が使われています。
 正確に言うと大山総裁は著者では無く監修ですが、自著からの転載も多いので、実質著者といった所でしょうか。  それでは、恒例の目次。

マス大山空手スクール.jpg
当時は「大山空手」の方が有名でした。

ケンカのいましめ 大山倍達
 ・大山カラテスクール守則 ・この手帳の使い方

□基本知識編
 ・鉄拳をきたえよう! ・キックこそ必殺! ・肉体のハンマー「頭」 ・ひじ・ひざ・肩口 ・人体の急所

□精神実技編
 宮本武蔵の教え

□応用必勝編
 ・背後から首じめにくる敵 ・背後から羽がいじめにくる敵 ・背後から腰に組みつく敵 ・背後から打ちかかる敵 ・背後からけってくる敵 ・正面から顔を打つ敵 ・正面から腹を打つ敵 ・胸ぐらをつかむ敵 ・正面から首をしめる敵 ・正面からだきつく敵 ・正面からけってくる敵 ・正面から体当たりの敵 ・横から打ちかかる敵 ・頭上から襲う敵 ・棒などで打ちかかる敵 ・ナイフの敵の場合
むすび

護身術手帳1.jpg

□臨機応変 ー絶対勝てる型の実例

護身術手帳2.jpg
何故かこのコーナーだけ黒地

□付録 I
 ー護身術のための空手の基本ー

 ・全身運動 ・手と足の特訓 ・立ち方 ・正拳による攻撃法 ・裏拳による攻撃法 ・手刀による攻撃法 ・ヒジ打ち ・足による攻撃法 ・手による防御  受け ・受け方の練習と基本の応用

護身術手帳3.jpg

□付録 II
 世界に伸びる極真会館 ・大山先生と世界の空手 ・ 大山カラテスクールのあらまし

護身術手帳4.jpg
当時の組織図

 「ウルトラ護身術手帳」という名に相応しく、護身術がメインとなっています。 基本稽古が付録ですからねぇ。
 そうそう、この手帳の下部には良い言葉、みたいなのがありますが、これがちょっと面白いです。 梶原一騎先生の漫画の台詞やら色々とカオスです。 いや、良い言葉も沢山あるんですが、基本過激なんですよね。 いくつかピックアップしてみます。 これ、どの位大山総裁が係わっているんだろ…w 毎日Twitterで1個ずつ呟くのも面白そうです。

●牛乳配達をする人間は、これを飲む人より健康だ。
●若さとは何か。 それは冒険することだ!(梶原一騎「柔道一直線」)
●出るくいは打たれる? 打たれても出るのが若者だ!
●マスターベーションーやりたい奴はやりたいだけやれ!
●猿も木から落ちる。
●落ちても落とされても登るのが若者だ!
●石橋をたたいてわたれ。 しかし若者は時には川を飛びこえよ。
●運は天にあり? いや若者の前にある。 切り開いてもらうために。
etc..

 実はこの手帳、「大山八段」と「大山九段」の2種類があります。 九段の方は所有しておりませんが、こちらの方がレアじゃないかと思います。 池袋の武道ショップに展示してありましたので、立ち寄られた方はチェックして見て下さい。

***

わんぱく空手.jpg

 続いては1976年刊行、KKベストセラーズの「わんぱく空手」。 所謂「豆本」という奴で、割と簡単に入手出来ます。 写真からのトレース絵で基本稽古から型、護身術とコラムがあります。 ちなみにこちらで把握している限りでは2種類あります。 奥付とかISBNが追加された版とそうで無いのと2種。 それでは目次。

わんぱく空手1.jpg
左が第30版、右が初版

 極真拳は魂の空手だ
 まず人体の急所を知ろう

●入門1 手足のすべてが武器になる
 A手を中心としたもの
  正拳 裏拳 手刀 背刀 貫手 親指一本拳 人差指一本拳 中指一本拳 鶏口 鉄槌 掌底 刀峰 平拳 弧拳 猿臂
 B足を中心としたもの
  足刀 中足 背足 底足 カカト ヒザ

わんぱく空手3.jpg

  特殊攻撃
  人差指一本拳眼突き 中指一本拳人中打ち 中指一本拳あご打ち 中指一本拳眉間打ち 刀峰のど突き 掌底鼻打ち 掌底あご打ち 前頭突き 貫手水月突き

●入門2 空手の準備運動
 アキレス腱の運動 ヒザの運動 カカトと足首の運動 足指の運動 手首と指の運動 腰の運動 腕立て伏せ 足の運動 股関節とモモの筋肉を鍛える運動 首の運動

●入門3 空手の構え方
 閉足立ち 結び立ち 平行立ち 不動立ち 前屈立ち 後屈立ち 四股立ち 騎馬立ち 三戦立ち 鶴足立ち 猫足立ち 内八字立ち 外八字立ち 掛け足立ち

●入門4 空手の受け方
 手の攻撃に対する受け方
 足の攻撃に対する受け方
  正拳上段受け 正拳中段内受け 正拳中段外受け 正拳下段払い 掌底上段受け 掌底中段外受け 掌底下段受け 正拳上段十字受け 正拳下段十字受け 回し受け 背刀双手受け 弧拳受け 弧拳横受け 弧拳おろし受け ヒザ受け スネ受け 底足受け

わんぱく空手2.jpg

●入門5 空手の呼吸法
 陰陽の呼吸 のがれの呼吸

●入門6 手による多彩な攻撃
 正拳上段突き 正拳中段突き 正拳アゴ打ち 正拳回し打ち 裏打ち 裏拳正面打ち 裏拳左右打ち 裏拳下突き 裏拳脾臓打ち 手刀顔面打ち 手刀鎖骨打ち 手刀鎖骨打ち込み 手刀内打ち 手刀脾臓打ち ヒジ上段当て ヒジ中段当て ヒジおろし打ち ヒジあげ打ち

●入門7 足による破壊的な攻撃
 上段前蹴り 中段前蹴り 回し蹴り 回し首蹴り 横蹴り 横蹴上げ カカト蹴り うしろ蹴り ヒザ蹴り とび蹴り

●入門8 型

●入門9 組手
 三本組手
  手刀上段受け・回し蹴り・正拳中段受け・中段前蹴り他
 一本組手
  手刀上段受け・正拳脾臓逆突き・正拳上段受け・右鉄槌ヒザ打ち他
 自由組手
  双手の構え 円心の構え 前羽の構え 竜変の構え 尾鱗の構え

●入門10 試し割り
 板割り 前蹴り カワラ割り 石割り

●入門11 とっさの護身術

わんぱく空手4.jpg

ほんとうに強くなるために
 臆病者は強くなる 自分の中の敵をたたきふせる 飢えをおそれるな 極真精神七ヶ条 負けの味を知れ 真剣勝負の時間 すぐれたライバルを持て 劣等感は大成のエネルギー 音楽好きは伸びが早い 一に稽古二に稽古

極真拳の強さを測定する
極真拳世界の強豪三人

 極真空手は割と古風で、基本的な稽古内容は松濤館と剛柔流の流れを汲んでいます。 差が出るのは補助鍛錬とか、組手でしょうか。 まぁ、今はかなり試合を意識した稽古になっていますので、この本に書かれている稽古内容から外れた指導をされている所もあるかと思います。 私が居た道場も廻し蹴りは組手立ちという新しいスタンスで帯持たずにやってましたしw 一本組手で弧拳受けとかやった記憶が無いですねぇ。
 さておき、豆本の割りにはしっかりとした技術書だと思います。

***

極真カラテ入門.jpg

 最後はレアというか…マイナーな技術書ですね。 1983年に池田書店から出版された「極真カラテ入門」。 表紙はこの本の10年ほど前に撮影された大山倍達総裁ですが、捲るとカラーページには当時の近影。 内容は写真とトレース絵と、あちこちに漫画絵が描かれたちょっと異色の本です。 後、微妙に歴史に細かく、松田隆智先生の研究から引っ張って来たと思しき「中国拳法のあらまし」とか、名前だけですが、他流の型なんかも色々載っていました。 それでは目次。

 はじめに

空手をはじめる前に
 空手の生い立ち
  まず基本を知ろう!!
  ギリシアの格闘技 インドの格闘技 中国の格闘技 中国拳法のあらまし 朝鮮・蒙古などの格闘技 沖縄の格闘技 日本の格闘技 極真空手

極真カラテ入門1.jpg
大成拳(意拳)まで載ってます。

 空手で使う身体各部
  小さくても使う部分は同じさ!!
  手を中心としたもの
   正拳 手刀 貫手 一本貫手 親指一本拳 中指一本拳 鶏口 鉄槌 掌底 刀峰 平拳 弧拳 ヒジまたは猿臂
 足を中心としたもの
  足刀 中足 背足 底足 カカト ヒザ

極真カラテ入門2.jpg

 空手の予備運動
  備えあればうれいなし!!
  アキレス腱の運動 ヒザを回す運動 ヒザの屈身運動 カカトと足首の運動 足指の運動 手首と指の運動(合掌) 回し受け運動 回し受け背中の運動 腰の運動 ウデ立て伏せ 足をひろげる運動 首の運動 背スジをのばす運動 モモと足筋をのばす 掌底づけ 胸を足につける運動

 空手の立ち方
  基本中の基本!!
   閉足立ち 結び立ち 平行立ち 不動立ち 前屈立ち 後屈立ち 四股立ち 騎馬立ち 三戦立ち 鶴足立ち 猫足立ち 内八字立ち 外八字立ち 掛け足立ち

空手の基本技法
 たいせつな基本
 攻撃法の基本
  リズムにのって!!
   手を中心にしたもの
    直突き 正拳上段突き 正拳中段突き 正拳アゴ打ち 正拳回し打ち 裏拳正面打ち 裏拳左右打ち 裏拳下突き 裏拳脾臓打ち 手刀顔面打ち 手刀鎖骨打ち 手刀鎖骨打ち込み 手刀内打ち 手刀脾臓打ち ヒジ当て ヒジ上段当て ヒジ中段当て ヒジおろし打ち ヒジ上げ打ち
   足を中心としたもの
    中足でのけり 上段前げり 中段前げり 回しげり 前けり上げ 横けり上げ 関節げり 背足でのけり 金的げり カカトでのけり カカトげり うしろげり ヒザでのけり ヒザげり

 防御法の基本
  気迫だ!!
  手による受け技
   正拳上段受け 正拳中段外受け 正拳中段内受け 正拳下段ばらい 掌底上段受け 掌底中段受け 掌底下段受け 手刀上段受け 手刀下段ばらい 正拳上段十字受け 正拳下段十字受け 回し受け 背刀双手受け技 弧拳受け
  足による受け技
   ヒザ受け 底足受け スネ受け

空手の応用技法
 組手
  当たれば痛いんだ!!
  約束組手 3本組手 1本組手 自由組手

 間合い
  これが空手のツボだ!!

 呼吸法
  同じ運動をしても呼吸法を知らないと疲れが早くなる
  息吹 のがれの呼吸

 型
  石の上にも三年

極真カラテ入門3.jpg
何故か型の説明に新マンもどきと怪獣

 護身術
  守るのは自分の体!!
  男性のための護身術
   一人相手の場合 二人相手の場合
  女性のための護身術

極真カラテ入門4.jpg

 ためし割り
  ためし割りの基本
   板を割る場合
    正拳逆突きで 足刀横げりで 手刀で とび前げりで
   カワラを割る場合
    正拳で カカトで 頭突きで
   レンガを割る場合
    正拳で 手刀で

 人体の急所
  急所はダメ!!

 生活の中に生きる空手
  ドシドシ応用しよう!!

 特筆すべき所は特に無いかなーと思いましたが、技の説明とか割と丁寧に書かれていますね。 ただ…少年向けに煉瓦割りは早い気がしますw

 子供の頃に読んだ技術書…読み返してみると意外な発見があるかも知れません。 久々に本棚から引っ張り出してみては?


 という事で如何でしたでしょうか? ぶっちゃけ、目次だけで疲れましたw もう複数纏めるのは止めようかと思いますw あぁでも初期にやった"What is Karate?"とか、4冊の目次があるんだよなぁ…その内追加しますw

 ところで、先日コメント欄で聞かれた「地下格闘技」の件ですが、読んだ本を見付けました。 2003年に出た別冊宝島の「リアルファイトクラブ ケンカ最強伝説」という本です。 ルール外のケンカに拘った本で、戦後の愚連隊からヤクザ、暴走族、カラーギャング、北朝鮮兵士の殺人術、中国拳法や中国マフィアのケンカ術、ケンカの武器といったトピックの最後に地下格闘技の記事があります。
 内容はコメント欄で書いたのとあまり変わりませんが、賭場やノミ屋の顧客を楽しませる余興から始まったそうです。 クラブなんかを貸し切ってやっていたみたいですねぇ。 出場者は街の喧嘩自慢やら格闘家やらヤクザやら元格闘家との事。 基本ワンマッチみたいです。
 本書で書かれた試合の1つは、バブル全盛の頃に行われた企業舎弟の後輩だという80kgぐらいの空手家と、体重約100kgでタイマン無敗のチームの頭との試合。 結果は空手家が噛み付いて戦意喪失させて勝ったとか何とか。
 まぁ、この手の話は話半分な感じで聞いておけば良いかと思いますが、事実であってもそんなに不思議な事では無いでしょうね。 問題は誰が出場したのか? という点でしょうw
 それでは、また。


参考文献:
大山八段のウルトラ護身術手帳 大山倍達監修 大山カラテスクール編 1972年
わんぱく空手 大山倍達著 KKベストセラーズ 1976年
極真カラテ入門 大山倍達著 池田書店 1983年
別冊宝島899号 リアルファイトクラブ ケンカ最強伝説 宝島社 2003年

 






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森川哲郎編 「武道日本(中)」より「猛牛を倒す空手」 (1969年)

 JUGEMテーマ:空手

 先日、1913年にイギリスのタバコメーカーJPSがタバコのおまけとして付けていた、"WRESTLING & JU-JITSU"というベースボールカードというかトレーディングカードというかそう言った感じのものをフルセットで入手して、ちと楽しくなっているところですが、皆様如何お過ごしでしょうかw

DSC_0008.jpg
こんなカード

 まぁ、こんなものを集めてもきっと日本では買う人もいないでしょうから、値が付かないでしょうね。 コレクターとかいるのかなぁ、これ。 あ、ブログで毎回今日の1枚みたいな感じで紹介するのもありですねw

 という事で今回は作家の森川哲郎先生が、双葉社の「剣豪列伝集」の連載対談「現代の武道」をまとめた「武道日本」を紹介します。 全3巻の予定だったみたいですが、実際に刊行されたのは「武道日本」「武道日本(中)」の2巻だけでした。 尚、この「現代の武道」は一度当ブログで 「碧い目の修業者たち」という記事を紹介していますので、読まれた方もいるかも知れません。
 森川先生は大山倍達総裁とも大変親しく、その実力を高く評価していました。 今回はその大山総裁へのインタビューを紹介したいと思います。 「武道日本」の上巻も手元にありますが、諸事情からこちらを先に出しましたw
 ついでにかるーく書籍紹介も兼ねてまず目次から。

武道日本(中)1.jpg

判官流と楊心流
 中島正義 皆木三郎 他

直心影流薙刀と女剣士
 島田晃子 清水隆次

南部藩お留流 諸賞流
 高橋京三 他

日本剣道界のピーク
 伊保清次

戸山流槍術の使い手
 中村泰三郎 中村京子

秘剣真庭念流(原文ママ)
 樋口昇 他

逆抜き太刀香取神道流
 杉野嘉男 杉野茂男

猛牛を倒す空手
 大山倍達

 個人的には無敵の女流剣客として名高い園部秀雄氏(上巻の方が詳しい話が載っていましたが)と諸賞流が興味深かったですかね。 この手の話も好きなので、おいおい紹介したいなーとか考えています。

 さて当ブログ的本題。 大山総裁の「猛牛を倒す空手」ですね。 どうやらこの本の出版前に撮り下ろしたインタビューの様で、第1回全日本大会の直後に収録されています。
 まず対談は第1回全日本大会の話や現在の活動を聞きつつ始まります。 この辺りはさくっと切りましたがw

 森川 この間のオープン・トーナメントでも、極真館独特の実践的演技で、見る者は、思わず、手に汗を握ったのですが、大山先生のビールびんを手刀で切る演技には、みな驚いていましたね。 作家たちも最後まで帰りませんでしたよ。

1969瓶切り.jpg

 大山 あれをやりますと、必ずといっていいほど、手を破片で切りますのでね。 たびたびはやれません。
(中略)
 森川 では、面白い話を……

 大山 例の、ニューヨークでは、F・B・Iを約三週間みっちり指導したこともあります。

 森川 世界にも有名とどろいているF・B・Iの猛者揃いを弟子にしたというのは驚きですね。 恐らく日本の武道家では、大山さんがはじめでしょう。 どういう風にして彼らを屈服させたのですか?

 大山 彼らは、その特殊な使命のために、あらゆる闘技、武術をおさめています。 もちろん日本の柔道もマスターしている。 そこで日本から大山という空手家がきたときいて、早速そのカラテの実態を分析しようと集ったわけです。 とにかく全米から、その頭脳、体格ともに、超優秀な物が選抜されているのですから大変な壮観でした。 私の目の前に、とにかく三十貫前後の巨漢がずらりといならんだのです。 (笑声)

 森川 日本の力士たちを相手にしたようなものですな

 大山 とにかく彼らは毛深いですから、まるで、ゴリラが集合したような偉観でした。 私などは、日本にいては、かなり大きく見れますが、彼らにかこまれては、全然少年みたいなものです(笑声)。 そこで彼らは質問するのです。
 ”柔道とカラテはどう違うか?”
 そこで私は説明をはじめました。
 ”柔道と空手の相違は、柔道は小さな人間が、大きな人間を投げる技だ、空手は小さな人間が大きな人間を倒す技だ”
 と彼らは妙な顔をしているのですね。 分からないのです。 そこで、
 ”例えば、早い話が、この小指一本であなたたちを倒せるのだ”
 そういうと彼らは、今度はむっとした表情で冷笑するのです。
 ”そんなことは、あり得るはずがない”
 頑強に否定するのです。 こうなればそれを実証して見せるよりほかはない立場に私は追いこまれました。(笑声)

 森川 大変なことになりましたね (笑声)

 大山 とにかくその中で一番大きな、強そうな男を選びだして、腰かけさせました。 ”私の指一本で、君を抑えるから、動けたら動いてみなさい”
 すると巨漢は、嘲笑しながら、渾身の力を入れてがんばっているのですね。 その肩に私はひょいと小指をのせました。 すると相手は全身の力を入れてはね返そうそとした。 ところが、どんなにあがいても、もがいても起き上がれない。 それはそうです。 こちらは術にしたがって急所を抑えているのだから、動けるはずがない。
 これにはその場を埋めていた二百名の巨漢が、あっと口をあけたまま棒立ちになってしまいましたね。

武道日本(中)2.jpg

 森川 大変なショックだったのでしょうね。 神技に見えたにちがいない。 (笑声)

 大山 ええ、それですっかり私のいうことを信用したのです。
 ”これは大先生に違いない” (笑声)
 しかし、まだ反撥してきました。
 ”たしかに今は動けなかったが指一本であなたは倒さなかったではないか。”
 私は困惑しましたが、決意しました。 実は私は白人相手に、そんな手荒なことをしたくなかったのです。 しかし何でも事実を見ない以上信用しない国柄ですから、やって見るよりほかはありません。
 私はまた六尺二寸、三十貫以上の巨漢を引きだしました。
 『では見せてあげよう。 だが、この技は危険だから、下手するとあなたは死ぬかも知れない。 死なないとしても、五分は完全に正気にもどらないだろう』
 すると相手は、物凄く緊張するのですね。
 『小指では、あなたを侮辱することになる。 人差指で倒すから、倒されぬように要心しなさい』
 というとなお緊張して、蒼白になっているのです。 (笑) あまり相手が緊張していてはこの技は効き目が薄くなります。 そこで私は話題をほかに転じて、相手の注意をそらせました。 刹那、油断を見すまして、裂帛の気合をかけながら、雷撃のように指で、相手の胸を突きました。
 相手はふみこたえる力もありません。 朽木を倒すようにのけぞると、そのままぶくぶくと口から泡をふきだし、完全に意識を失なってしまったのです。
ところが、約束の五分たっても、相手は正気に戻らないのです。 私はあわてました。 (笑声)
 こいつはこのまま行ってしまったかな。 下手すると過失致死罪だぞ。 相手はとにかく警察ですからね。 (笑)
 F・B・Iたちも大騒ぎして、水をぶっかけるやら、医者を呼びに走るやら大騒ぎになりました。 そこで私は落ちついて(笑声)、静かに相手の体をだきおこし、活を入れました。 さすがに巨漢はふーと息を吹き返しましたが、さあF・B・Iの猛者たちはすっかりすくみ上がってしまいました。
 こうなると白人というのは、実にフランクなもので、実力の前には、文句なしに頭を下げるのですね。 全員二百名入門を申しこみ、その日から約三週間、猛訓練を開始することになりました。

 森川 大変なことですね。

 大山 ところがさすが優秀な選抜者だけあって、その空手吸収が、恐るべきほど早いのです。 一度教えたことを決して翌日もう一度教える必要はありませんでした。 1日の中にマスターしてしまうのです。
 これはF・B・Iは恐い、また白人将来恐るべしの感をいだきましたね。

***

武道日本(中)3.jpg

 大山 昭和三十年代の渡米で一番印象に残っているのは、ニューヨークの公開試合でしたね。
 
 森川 相手は、レスラーですか? ボクサーですか?

 大山 いや白人の空手拳法家です。

 森川 えっ? 白人の拳法家がいたのですか?

 大山 そうです。 私も予期せぬことで、ニューヨークへ行ってはじめて知り、非常に驚かされました。

 森川 一体、どこでどの拳法を学んだのですか。

 大山 イタリー系の米人で、終戦直後中国にわたり、支那拳法をまなんで、米国でひろめていたということです。

 森川 それは面白い。

 大山 それがいままであらゆる試合、実戦に出て、一度もおくれをとったことがない。 ニューヨークでは、それを恐れて、ボクサー、プロレスラー、柔道家にいたるまで、だれ一人立ちあう者はいないというほど人に恐れられている男だったのです。

 森川 強豪のつもりだったのですね。 挑戦はどちらから?

 大山 もちろん向こうからです。 新聞などで私のくるのを知り、ニューヨークへ現われるのを待っていたというのです。 向こうから正式に挑戦されたのですから、受けて立たないわけには行きません。
 しかし私には相手の実力が少しも分かりません。 下手をして、膝を突いたり、倒れたりしたら醜態です。 わざわざ日本からきて、日本空手家の名を傷つけては大変と緊張しました。
 相手は三十七才で、精悍な、大きな体格のみるからに強靱そうな奴でした。 手間どっては損だと思い、立ち上がりざま、一撃手刀で首を叩きましたら、もののみごとに素っとぶのです。 立ち上ったところを膝でけり、平手で家をを包むように突き放すと、それで鼻血にまみれて、きれいにのびてしまいました。 三秒もかからなかったでしょう。

 森川 文字通り電光石火の早業というわけですね。 相手は驚いたでしょう。

 大山 いや、これで相手の実力が分りました。 自分では太極流拳法の名手とか、何とかいっていましたが、こちらではせいぜい三級か、よくって初段ぐらいの実力でしょう。 しかしこの男もフランクなもので、負けるとすぐ頭を下げて、”先生、私の実力は日本ではどの位でしょう” (笑声)
 ”まあ、せいぜい、初段くらいやれるかな”
 するとすっかり驚いてしまいまして、
 ”先生、私を弟子にして下さい。 基本からやりなおします” (笑声)
 その翌年の春、愛妻帯同で、日本へ修業にくるといっていましたが…

 森川 なるほど。 そのほかに公開試合は?

 大山 ワシントンの柔道クラブでやりました。 ここでも日本に二年ばかりいて、空手を修めたのがいたのですね。
 これが勢いづいて挑戦してきました。
 ”組手をやりましょう”
 といって、かまえは、一応りっぱにかまえるのです。 しかしこの男は立ち上がりざま、泳がせて、後ろをつかみ、膝で一気に背中をあてたらのびてしまいました。 生兵法で恐いもの知らずなのですね。 それでも米国では、けっこう役立つのでしょう。 こうした未熟な形で入りこんでいる米国の空手をいまのうちに何とかしないと、将来のガンにると思いまして、どんどん弟子を送りこみました。 いまではニューヨーク道場を指導している中村君などは何度もライフやニューヨークタイムスに書かれて、米人も正しい空手を認識してきています。

***

 森川 大山先生が、現在の日本一といわれる実力になられるまでの修行の苦心談をうかがいましょう。 空手道に入られたのはいつです。

 大山 昭和十六年、目白の松濤館舟越義珍先生の道場に入ったのがふりだしです。 その四、五年前、ちょうど十三才ぐらいの時に、故郷でニュース映画を見た。 それに大学の空手の実演が映っていた。 巻藁や瓦を数枚重ねて割るのですね。 実に凄いと感嘆、人間の可能性の極限を知ったように思い、自分もそれをきわめて見たい気になったのです。 以後思うところあって剛柔流に移り、さらにそこを脱退して自分で一派すなわち極真流を立てて現在に及んでいるわけです。
(中略)
 大山 前にも一度身延の七面山に五十日間こもったことがある。 その時は主に禅をくんだわけですが、これが大いに効果があった。 そこで今度は本格的に三年間山ごもりで、万全の備えをして七面山にこもったのです。 友人が一月おきに館山から食糧を運んでくれる。 それに後に自民党の総務をしていた小沢代議士が、その間の私の食糧費を、つまり死なないようにですね、見てくれるという態勢で山にこもっったのです。
(中略)
 大山 朝おきたらまずバーベルをもち上げて、鍛錬をはじめる。 つぎには鉄砲を射ち、裸足で、険崖をかけ下り、かけ上る。
 それから禅をくみ、午後三時から空手をはじめる。 木に藁を巻き、手刀、貫手などのあらゆる技をこころみる。 つぎに石を割る。
 酷寒の日も、炎暑の日も、1日としてこの鍛錬を絶やさなかったのです。 その頃は、体重は十九貫ほどありましたが、まるで飛ぶように敏捷に、山をかけ下り、かけ上れました。
 また、石は、割るのではなく、両手でつかんで、これをもぐように折ることができた。
(中略)
 大山 だから心境を統一するために、夜は白い紙に円を二つ描いて壁にはるわけです。 静を右に動を左におく。 それを半眼でじっとみつめて、南無妙法蓮華経を唱える。 私は戦時中石原完爾将軍の東亜連盟に入っていましたから、その影響で法蓮経を唱えるのです。
(中略)
 大山 そうすると昼間のぼってくる里の子供たちが、私の姿を見て、山に天狗がいるというのですね。 しかしその子供たちがこないと淋しくてたまらない。 わざと子供たちの悦びそうなものを容易しておいてやって見せるのです。 こうしてバーベルは三十六貫までもち上げました。
 
 森川 三十六貫? 世界記録ものですね。

 大山 ええ、山から降りたあとで重量あげ会長の井口幸男さんの前でやって見せましたが驚いていましたよ。

バーベル.jpg

 森川 大山さんの修行談をきいていると、剣豪小説に出てくる剣豪の修行の方法をほうふつと思いだしますよ。 凄じいものだ。 例えば吉川英治さんの小説にこういうのがあった。 忍者が麻の種子をまいて、その伸びるのにしたがって跳び、その極限まできわめたというのです。

 大山 それはウソです。 私も剣豪小説が好きで、かかさず読んでいますから、その話は知っていた。 そこで山の中で実験して見たのです。
 なるほどたしかにある一定のところまではとべます。 私は朝三百回、夜三百回とびました。 しかし武道でとぶのは、走り高とびのように、疾走してとぶのではない。 その場で闘いながらとぶのでなくては、意味がない。 すると飛びこせるのは、始めの一日だけで、もう二日目はだめになります。
 麻が七尺以上のびるからです。 その場で七尺とべるのは、恐らくオリンピックでもいないでしょう。
 そのほかは、牛の肉をぶらさげ、脂のない所を手刀で叩く、しまいにはつかんだだけで引きむしれました。 それで牛が殺せるような気になりましたね。

 森川 なるほど。 凄じいものですね。 それで山を降りてきたのは?

 大山 一年半目でした。 三年こもるつもりだったのが、後援者の小沢さんに故障が起きて食糧がこなくなった。 これでは餓死すると思って山を降りました。
 しかし牛を殺す一年に気狂いのようにこりかたまっていますから、なにか物に突き当ると、えいーと手刀を叩きこむ。 見ると電信柱で、ぽかりと拳が入り、てっ辺までゆさゆさとゆれるのですね。 しかし途中から切断されて倒れない。 ”こいつは、おれの修行方法がまちがっていたかな”
 山にこもっていた時のくせで、ぶつぶつ独り言をいうわけです。 すると後にぞろぞろついてきている者がいる。 ”気違いだ。 気違いだ” (笑声) あまりみながそういうので、自分でも、”おれは本当に気が狂ったのではないか”(笑声)と思いましたよ。
 そこで街の中は駄目だと思って、真直ぐ館山の屠殺場に向いました。 屠殺場に行くと、”牛を出してくれ”そうすると相手は、こちらの姿を見て、びっくりするのですね。 本当に気違いがきたかと思ったらしい。
 とにかく相手を納得させて、牛を引きだしてもらい、牛をつないだまま、目かくしをして、一気に頭を叩いた。 ところが案に相違してこれが死なない。 後で解剖してもらいました。 するとみごとにひびが入っているのだけれど割れてはいない。 牛の皮は厚くて、その下に脂の層が沢山あります。 それで思うように割れないのですね。
 次に屠殺する斧をもらい、その斧と私の拳の力と比べてためして見た。 まず屋根の瓦を二十枚重ねて、斧と拳で叩いて見た。 両方とも二十枚は軽く割れるのです。 次に三十枚おいた。 すると斧は二十七枚しか行かない。 私の拳は三十枚らくに行く。 そこで私の拳の方が強いことを知った。 そこで殺す原理があるに違いないと毎日研究しました。
 すると屠殺者が、”お前は石を割れるのだから角を折って見ろ”と云ってきたのです。 そこで、今度は角をどこから折ったらよいかと研究をはじめた。 そこでようやく、一つの原理を発見しました。

 森川 とにかく空手界で牛の角を折った人は、後にも先にもいない。

***

 森川 試合で恐ろしかったことは?

 大山 試合よりも試合後に、見ていた群衆に追いかけられて、命がけの思いをしましたね。 最初のアメリカ遠征の時です。 プロレスの遠藤選手と一しょにアメリカに渡ったのですが、ミネア・ポリスでレスラーに挑戦された。 身長六尺七寸、二百六十ポンド、胸の厚さは一尺というまるで動くアルプスのような男です。 (笑声)
 それに相手はまるで私を殺す勢いで迫ってくるのです。 そこで私は決心した。 相手の隙を見て、内ぶところにとびこみ、痛烈な突きを入れた。 一撃、二撃、三撃、相手は反撃もできず崩れるようにその場に倒れました。

 森川 群衆に追われたのはその時ですか?

 大山 いいえ、その後です。 この噂が全米に高まったので、次々と挑戦する者が現れたのですね。 こんな調子でアイオワと云うこの男も三十貫以上ありました。 私は彼の凄じいパンチをよけながら、三度中段突きを食わした。 その度に肋骨が折れるのです。 ついに七本の肋骨が折れた。 男はバッタリ倒れたまま起き上れません。
 ところが観衆が総立ちになった。
 ”殺せ! 帰すな”絶叫しながらリングめがけて殺到してくるのです。 警官が拳銃をかまえて防波堤になってくれ救急車でようやく脱出し、ホテルに入ったのですが、ホテルを群衆にとりかこまれた。 猟銃までもち出して、殺気立つて、”殺せ! 殺せ!”とわめいているのですね。 とうとう私たちも覚悟をきめました。 警官が来て、 ”自動車が裏口に待っている。 それに乗って州外へ逃げなさい”と云うので私たちは夢中でとびのり、全速力で疾走した。 バンバン、背後で猟銃をぶっ放す音が聞こえるのです。 こうしてやっと、命を助かったのですが、まさに九死に一生でしたね。

 森川 まだ日本ブームの起る前だから、そのくらいの敵愾心を持っていたのでしょうね。
 いや大山さんの命がけの普及で、ようやく彼らも日本固有の武道の神髄にふれたのですよ。 いまは、空手は、世界の武道になりました。 アフリカのローデシアからヒッチハイクで、大山道場へ入門してくる者もあるほどですからね。 今度は、新しい空手の試合方法を完成すれば、本当に空手界統一の機運が促進される。 日本選手権、世界選手権大会も夢ではなくなる。 ぜひそこまで達成して下さるようお願いします。 ではこの辺で、お忙しい所を有がとうございました。
 
 
 という事で如何でしたでしょうか? いくつか興味深い話が出て来ますね。 FBI捜査官を倒した話は「空手バカ一代」以降、大山倍達総裁自身が語る事は殆ど無かったかと思いますが、この少し前にも機関誌で書いていました。 作り話か否かはさておき、相手の呼吸を読んで倒す辺り、大山総裁の上手さが見えますね。
 で、先日少し書いた、「空手バカ一代」最強の敵、李青鵬の元ネタかも知れないイタリア系アメリカ人の拳法家ですが、皆さんはどう思ったでしょうか? ここで語っている公開試合というのは別に会場を借りたという意味では無い様ですが、少々紛らわしいですw
 ちなみに大山総裁が山で上げていたという36貫、キロに直すと135キロです。 この数字はオリンピックに出場した事もある窪田登先生の証言にある、

…大山さんが「自分はウエイトトレーニングをやっているんだけど、まだ135kgしか上がらない」と仰っていました。

と一致します。
 
 次回は大山総裁の17回忌ですし、ブログ始めて初の命日ですから26日に米誌に載った追悼記事の翻訳でも紹介しようかと思います。 と言っても、大昔に翻訳した記事なんですけどねw
 それでは、また。

参考文献:
武道日本(中) 森川哲郎編 プレス東京 1969年
巨人 大山倍達の肖像 -ゴッドハンドの軌跡 国際空手道連盟極真会館監修 コア出版 1984年
ゴング格闘技増刊 BATTLE SERIES Vol.8 大山倍達総裁追悼写真集 〜不滅の生涯〜 日本スポーツ出版社 1994年
格闘Kマガジン 2004年9月号 ぴいぷる社 2004年








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【特別編】 ビデオ「大山倍達・直伝」(1987年)

JUGEMテーマ:空手

 3月31日、株式会社メディアエイトの前田達雄前社長が亡くなられました。 今日、この記事を書き始めた時間には告別式が執り行われているはずですが、本記事を持って哀悼の意を表します。

前田達雄.jpg
前田達雄社長

 さて、メディアエイト。 MEDIA8と表記されるビデオメーカーは、当ブログに来られる方ならご存じかと思いますが、1987年から極真関係のビデオを製造していた会社さんですね、こちらの前田達雄前社長が亡くなられたという事で、今回はそのメディアエイトが始めて手掛けたオリジナル作品「大山倍達・直伝」を中心にお送りしようかと思っています。 やっぱり氏の作られた作品についての記事が一番良いかなぁと。 ちなみにメディアエイトにもこのビデオの在庫が無いとの事で、前田社長が「幻のビデオ」だと言っていました。

大山倍達・直伝1.jpg
ビデオ「大山倍達・直伝」(メディアエイト)

 極真とメディアエイトの関係は、前田社長(生前の役職で統一させて戴きます)によれば、元々別の格闘技のビデオの制作を行っており、売れ行きが芳しくなかった。そこで知人に極真空手を撮ってはどうかと勧められて、大山倍達総裁と面会したところから始まるそうです。 これが第18回全日本大会の後、と云う事で1987年の話でしょうか。
 極真以前は何を制作していたかというと、日本空手協会、国際松濤館、世界空手道連盟、日本拳法協会等のビデオを制作していました(その後も日本空手協会のビデオは制作しており、「月刊空手道」にも広告が載っています)。

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極真と他流派のビデオの広告

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メディアエイト以前のビデオ

 そして(株)マーシャール・アーツ・メディア・エンターテイメントが制作していた第3回世界大会から第18回全日本大会までのビデオ原盤を買い取り、 「松井章圭 V2の軌跡」「ザ・KNOCK OUT」を発売。

メディアエイト3.jpg
メディアエイト最初期の広告

 メディアエイトが始めて自社のオリジナル原盤でビデオを作成したのは、87年、第4回世界大会前に行われた夏期合宿兼強化合宿のビデオ、「大山倍達・直伝」で、前置きは長くなりましたが、今回はこのビデオをレビューします。

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今回紹介する「大山倍達・直伝」の広告

 冒頭は打ち付ける荒波から大山倍達総裁のアップ、振り向いたところから、初期に良く使われていたあのテーマ曲が流れ出します。 そしてテロップ。

大山倍達・直伝2.jpg
タイトル

直伝とは
 師が奥義・秘伝を
 直接弟子に伝授
 することである。

 基本稽古のシーンが続きますが、先頭にいる黒帯集団は世界大会代表メンバーです。 今となっては幻の映像になるのでしょうが、当時は皆仲間でした。

大山倍達・直伝3.jpg
前年の第18回全日本で優勝した松井章圭

 選手一同が見守る中、大山総裁が到着します。 車を降りた総裁はそれぞれ声を掛けながら握手をします。 ここで印象的なのは緑健児代表への言葉でしょうか。

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「城西の爆撃機」増田章と握手を交わす大山倍達

大山:あのー今年、世界大会でチャンピオンになってみい。 小が大を倒すところに武道の極意があるから。
緑:押忍。
大山:何か、奇襲戦法を考えるんだな。
緑:押忍。

 そして少年部に声を掛け握手する総裁、この時ばかりは好々爺と云った感じです。
 所変わって砂浜。 大山総裁が号令を掛けて正拳顎打ち、手刀受け、横蹴り上げの指導。

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大山:しかし皆さんは、試合にだけ出るんじゃないんだから、皆さんが教える立場、あるいはね、人に見せる立場、その時には正確に基本通りやった方が良いでしょうが。
 その基本が大事です。 だから基本通り憶えておいて下さい。 わかったぁ?

 自分の自由、あの、自分のね、やり易い、えー…ものでは、無く、基本通りの稽古が一番大事。 わかったね。
 だからね、試合の時と練習の時は全く違います。
 練習の時は基本通りの稽古をする。 すなわち、点を中心として円を描く。 そして線はそれに付随するなり。 そういう稽古をやる。 わかったね。
 そして練習の、あのー…試合の時は、どうしても相手を倒せばいい。 それで良いんです。 相手が倒れれば良いんだよ。 どんな殴り方をしても蹴り方をしても、相手が倒れればね、勝負に勝てば、それで良いです。 わかったぁ?

 こういう発言は実戦派ならでは、でしょうかね。
 続いては約束組手からの関節技の指導、腹筋する門下生を見て回ります。

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上段受けから関節を取る大山倍達

 夜は総裁講話。 壇上のフレッシュ・オレンジジュースが懐かしいですね。 以下、総裁講話より映像と同じ箇所を抜粋(ビデオの内容とは多少違います)。

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大山倍達総裁講話

 私たちは常に覇者王道を歩まなければならない。 私が諸君たちにこういうことを言うのは、1人の先輩として、あるいは1人の先駆者として親として師としてであるが、金を失うことは小さいことである。 信用を失うことは大きいことだ、しかし、勇気を失うことは自分を失う事だ。 人間は勇気がなくてはいけない。 金に対してあまり執着を持つな。
 諸君たちは私に言わしめれば、勇気のかたまりだ。 これから日本は君たちの日本になる。 これからの世界は君たちの世界になる。 諸君たちに真の勇気があれば。
 今、私たちは飽衣飽食のなかにあって恵まれすぎている。
 私は一時柔道をやったことがある。 もう40年も前の話だ。 そのときに柔道を教えてくれた曽根先生が、ある日「大山君、君にちょっと話があるから待っていてくれ」という。 なんだろうと思っていると、先生はこういう。
 「君は柔道を一生懸命やっている。 私はもう長くないが君は若いからよく聞いてくれ。 日本人はこれから丸々と太るだろう。 そのかわり精神は骨ぬきになる。 アメリカが骨ぬきにするだろう。 そして日本はアメリカの縮小版になるだろう。 日本人は日本人じゃなくなるよ。 アメリカナイズすると日本人ではなくなる。 君は若いからそのことをしっかり頭の中へ入れて生きてくれ」
 先生は若い私にそう言った。 そのときは、あまり深い意味はわからなかったが、それから40年たった今日、まったく先生の言ったとおりの日本になっている。
 私はこういう日本の現状を救うのは、極真カラテしかないと思う。 極真カラテの武道精神が日本の精神の原点であるだけに、極真精神をもって日本を建て直さなければいけない。 同時に極真カラテが有る限り、日本はまだだいじょうぶだ。

 いつものテーマ曲が流れると、代表メンバーが海岸を駆けてきます。 黒澤浩樹VS八巻建二、増田章VS七戸康博の組手。 その後は七戸先生と黒澤塾長へのインタビュー。

大山倍達・直伝8.jpg
増田章VS七戸康博

 それから代表メンバーへの直接稽古。 麦わら帽子を被った大山総裁が松井館長を叱り付けたりしてます。
 サイドステップからの左右回し蹴り、手を下ろすな! と総裁の激。 その間に各メンバーの紹介が流れます。

大山:自分が苦しい時は相手も苦しいよ。 わかったぁ?
 相手は神様じゃないんだもの。 自分が苦しい時は相手も苦、苦しいよ。 問題はねぇ、ガッツの精神だ。 ここが三瓶の精神が必要だよ。 少々ねぇ、骨が折れても、痛い顔をしない。  
 ちょっと、痛いからと言ってすぐ痛い顔をすると、敵はそれを見るから。 もしやり出した以上はねぇ、必ず食い付いて離れない事。 わかったぁ?
 もう、勝負の鬼になる事が一番大事だからね。


大山倍達・直伝10.jpg
桑島保浩(現・靖寛)に廻し打ち

 下突きと廻し打ちの指導。 腕を叩いて痺れさせる等の技術を指導されていますね。正拳ばかり考えるな、と言う事ですので、要は工夫しろ、固定観念に捕らわれるな、という事でしょうか。 そうそう喧嘩の時に叩いたら倒れるよ、と仰っていました。 しかし相変わらず総裁の下突きのキレは良いですね。 腕刀か、裏拳で叩いても良いじゃないか、と実演される辺りが興味深いです。

 正直、総裁の説明は上手い方だとは思いませんが、ここでは制空権とカウンター、ポジショニングの重要性を説いております。
 そして緑代表による片足での廻し蹴り、後ろ廻し蹴り、廻し蹴りの連打。

大山倍達・直伝9.jpg
緑健児による実演

松井館長の回転飛び後ろ廻し蹴り(普通の後ろ廻し蹴りとは逆回転)からの左右廻し蹴りを連続で繰り返す練習。 軸足では無く身体で回転する為、普通の後ろ廻し蹴りより速度が速く制御の難しい蹴りです。代表メンバーもこの稽古には苦労していました。テコンドーでいう360°ティミョ・トラ・ヨプチャ・チルギ(読みが合ってるかはちょっと自信有りませんw)って技に似てますが、前進せずに横移動する辺りが違いますかね。

大山倍達・直伝12.jpg
松井章圭による実演

 そういえばロシアのレチ・クルバノフ選手はこの系統の後ろ廻し蹴りを得意としていましたね。 下突き連打の中に動きを隠して軸足を斜め前に進め、溜めたバネを一気に解放して首を刈り取る素晴らしい蹴りでした。

 スタミナの重要性を説き、走ってつけるスタミナよりもこういう稽古でスタミナを養え、とそしてまた延々と繰り返される回転稽古。

 ここで私が一番好きな大山総裁が下突きを指導されるシーンが出て来ます。

大山:これじゃないとねぇ、こうこうこう行ったらねぇ、これは君ぃ〜、相手倒れないよ。 相手のねぇ、肋骨を…あー、ブチ破ってねぇ、相手の心臓の方へね、拳を突き出すって言う様な気持ちで。下へこう、そしてこう、この時に腰を捻らなくっちゃ。
 体重を全部乗っけるんだよ!
 80キロの体重を。
 イィエャアッ!!
 わかったぁ? もう一発倒れないといけないから。


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大山倍達の必殺技、下突き

大山:えー、技の緩急、力の強弱、息の調節、これはもう非常に大事な事です。
 速いから上手いんじゃないんだよ。 あ、遅くても間違い無くねぇ、相手が倒れれば上手いんだから。わかったぁ?
 息の調節が一番大事だよ。 力の強弱。力を入れるところと、力の入れないところ。 これははっきりしなくちゃねぇ。 ここは力を入れるところだから。 わかった? ここは。


 エンピの指導。 七戸先生を軽くビンタして、顎に行くんだから、と指導。 やはり総裁は試合の為だけの指導は出来ないタイプですよね。 大会の為の強化合宿でルールを無視した技術の指導をする位ですから。
 そして締めの正拳突きでビデオは終了です。

大山倍達・直伝13.jpg

 という事で、今回はメディアエイト初のオリジナル映像作品、「大山倍達・直伝」を解説してみました。
 前田社長は、このビデオを撮影した頃から大山倍達総裁の魅力に引き摺り込まれた、と生前語っておられました。

 総裁の魅力に引きずり込まれたのは、しばらく経ってからで『大山倍達・直伝』を撮影したあたりからと言った方が正確です。 指導の方法がうまいだとか、愛情に満ちているということよりもー何と言ったらいいのかなぁー一緒にいて私自身が快感を感じるんです。 この人の横にいればオレの人生大丈夫じゃないかなと、どん底にいた自分にある種の勇気みたいなものを与えられたような気がしました。
 
 (※PCのみ)メディアエイトのDVD「牛を一撃で倒した男 大山倍達」PV

 ちなみに私が訃報を知ったのは、最近ブログを始められた大山総裁の三女・大山喜久子代表の記事からでした。
 割とどうでも良い話ですが、私の高校時代のアメリカ人の友人が日本に居た頃、大山代表の後輩でして、高校のイヤーブックを見せて戴いたのですが、丁度卒業した年の物だったので、卒業写真が載っていました。 他の日本人は皆西田ひかるさんの写真を見て盛り上がっていたのですが、私だけ「あれ? 総裁のご息女?」なんて思っていた記憶があります。 それで以前お話をさせて戴いたのですが、総裁のサイトを立ち上げても良いかと許可を取ったところ、公認とかは無いが、大山総裁の事を扱ってくれるのは嬉しいと言って下さったので、今このブログを運営しているという訳ですw

 追悼と言うには拙い記事ではありますが、 前田社長、今まで送り出して下さった数々の作品、ありがとうございました。


参考文献:
月刊パワー空手 1987年1月号 パワー空手出版社 1986年
月刊パワー空手 1987年6月号 パワー空手出版社 1987年
月刊パワー空手 1987年10月号 パワー空手出版社 1987年
格闘技通信 NO.16 ベースボール・マガジン社 1988年
最強最後の大山倍達読本 日本スポーツ出版社 1997年

参考映像:
大山倍達・直伝 メディアエイト 1987年

参考サイト:
MEDIA8 Shop (2011/04/09)
kikkochanのブログ (2011/04/09)






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大山倍達の少年向け技術書 1(1969年〜1970年出版分)

JUGEMテーマ:空手
 何と3連続で書評です。
 本編とはあまり関係無いのですが何かですね、先ほどウィキペディアで添野義二先生の項目を見ていたら、いつの間にか大山道場入門が疑われていたのでびっくりしました。 添野先生は1964年の9月1日に入門されているのですが、その頃にはもう極真会館に移っているので、大山道場出身じゃないとされているんですねぇ。
 でもこれ、間違いです。
 本部ビルへ移ったのは同年10月15日ですので、添野先生は引っ越しする1ヶ月半前に入門していますし、引っ越し直前に撮られたと思しき大山道場の集合写真にも添野先生が写っています。

添野義二(大山道場).jpg
中段右端が添野義二先生

 で、この10月15日という日付はどこから出たかというと、64年の「週刊大衆」10/8号の大山倍達総裁のインタビューに載っています。 9月末頃に出版されているので、遅くても9月半ば頃にはインタビューを受けたと思われますが、この時点で10月15日にオープンとはっきり言っています。  ですから、この日から多少のズレがあったとしても、添野先生が大山道場に入門したという事には変わりがないでしょう。
 「大山倍達とは何か?」に同インタビューの転載記事がありますので、そちらを参照して下さい。

 という事で本編ですw
 今回はですね、大山総裁が書かれた子供向け技術書の内、割と近い時代の3冊をまとめてみました。 以下紹介する本です。

”BOYS' KARATE”
「空手教室」
「ぜったい負けない護身術 少年空手教室」

 他にも「わんぱく空手」とか「極真カラテ入門」、「マス大山のウルトラ護身術手帳」が子供向けなのですが、こちらはまた別の機会に紹介します。 それではまず”BOYS' KARATE”から。

 本書の表紙はタイトルのテキストが若干違う版もあったりしますが、持ってないのでそちらはスルーします。

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 えー、オガワ・ヒロコという方が描いた絵が本書のメインとなりますね。 冒頭に妙な絵がありますが動物を模した技術だと言いたいのでしょうか…(十二支の構えというものですが、何の説明がありませんでした)。
 親孝行の話の後は道場での礼儀についてが載っています。 本部道場のドアを開けると大山総裁が待っており、十字を切る少年たち。

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 準備運動から立ち方、基本稽古へと続いて行きます。 絵は模写ですね、何の本から模写したか、詳しい方ならすぐに分かるでしょうw
 そして蹴り、受け、太極Iの型へと進み、三戦立ちでの1本組手、最後に護身術。 これは畳が敷いてあるので地下道場ですかね。

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 ちなみに本書は”ブラック・ベルト”誌にも転載されていた事があります。

***

 次は秋田書店のカラー版ジュニア入門百科から1970年に出版された「空手教室」です。
 本書は2種類あり、第5版までは函入りで1974年の第6版からは表紙カバー版になります(たまたま5,6版が手元にありましたw)。

空手教室1.jpg
函入り版

空手教室3.jpg
新装表紙カバー版

 カットは違いますが、どちらも西田幸夫先生が挑み掛かる写真が使われています。 多分函まで持ってる人は少ないんじゃないでしょうか?
 序文に大山総裁のサインがありますが、以前これを「サイン入り!」と書いて売りに出していた方がいらっしゃいましたので注意しましょうw それから、梶原一騎先生が寄稿していますね。
 最初は空手発展小史? が載っていますが、気になる文があったので引用します。

少林寺の拳法
 最近、日本で、「少林寺拳法(四国)」とか、「少林寺○○流空手」と名のる人々がとても多いのですが、これは本当の、中国の、少林寺の拳法でしょうか。
 さらに、正しい、中国の少林寺で行われた拳法はどのようなものなのでしょうか。
 第一に、中国では、少林寺の拳法を、「少林寺拳法」とは言わないで、「少林拳」といっていたのです。
(中略)
 中国では、日本製少林寺拳法のように、両手を合わせておがむようなことはしません。 また中国では拳法を行なうときに、僧衣を着るようなことはしません。 仏門の修行と拳法の修行は切りはなしています。

 あー…、揶揄されたのがよっぽどムカついていたんでしょうねぇ。 前年の第1回全日本大会の時も例のあのフレーズを言っていましたしw まぁ、この辺りはこちらの準備が整ったら書きますけどね。
 で、日本の古流柔術から当て身の技について書いていますが、詳しいんですよね、大山総裁。 貴重な武術書を結構持ってたりして。 例えば「ダイナミック空手」の巻末にある参考文献を見れば本当に空手というものを研究していた様がよく分かるかと思います。 ちなみに…その参考文献の中にはあの「秘伝少林寺拳法」なんかもあったりしますw
 さておき、全日本大会を開いたばかりだからでしょうか、武術としての空手の意義とか、巻末にはルールと組手試合の解説が書いてありました。 これは後ほど紹介します。
 後は普通の技術書ですが、ちょっと面白かったのは「十二支が教えるかまえかた」でしょうか。 どこまで実在した構えなのかは分かりませんが、中々興味深いものがあります。

空手教室2.jpg

 基本的には種市健先生が演武されているのですが、何故か芦原英幸先生が1枚だけ登場しています。 悪い例で、ですけどw
 そして「空手名勝負物語」という章で大山総裁の武勇伝が描かれており、「世界ケンカ旅行」で紹介された話が載っています。 他には糸洲安恒先生と、太極拳の張松渓師の武勇伝もありました。

***

 最後は大山倍達国内出版本の中ではトップクラスのレア度を誇る、講談社マガジン=ブックスの「ぜったい負けない護身術 少年空手教室」です。 どれくらいレアかと言うと…本部の年表ですらずーっと「少年空手護身術」という間違ったタイトルで記載されていたくらいです(大山総裁の著書紹介欄には正しい記載があったのですが)。

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 ちなみに実物は空手古書道連盟所有の一品が池袋の日本武道具に展示されています(まだ展示中かは確認していませんが)。

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ちゃんと3本指でコインを曲げてます

 本書は最初の章「びっくりものしり編」に様々な格闘技の逸話と大山総裁自身の武勇伝が載っており、以降は普通の技術書となります。 絵は全て模写ですが、顔は少年っぽくなっています。 その為、本来なら黒崎健時先生が演武している写真も全部少年っぽいですw 他にも大山総裁の写真から模写して少年っぽくした絵など、ちょっと面白くなっています。

少年空手教室3.jpg
元は黒崎先生の写真

 他に興味深いところでは、第5章の「人体の急所」でしょうか。 この章では各急所を攻める際に使用する部位と防御方法が載っています。
 そして最後の章でようやく「ぜったい負けない護身術」が登場します。 1対3や傘を使った護身術、対ナイフなど、少し子供には早過ぎる状況まで用意されていますね。
 で、あとがきに十の約束というのがありますので、それを引用して終わりにします。

1   両親をたいせつにする。
2   約束をきちんと守る。
3   空手に私闘なし。 先手あり。
4   弱いものを守ってやる。
5   先生をうやまう。
6   すべてのものごとに、がまんがだいじ。
7   おこないは、いつもてきぱきと。
8   あぶないところに近よるな。
9   精神を強くもて。
10 礼儀正しく。

 …何故か「ウルトラ5つの誓い」を思い出したw おかしい、ここは「大山倍達 座右銘十一ヶ条」を思い出すべきでは無いだろうか…?

***

おまけ。
 「空手教室」に掲載された「試合のみかた」。 当時の試合ルールについては「ダイナミック空手」の増補改訂版などに載っているので、ここでは略しますが、要望があればその内掲載します。

 ・手技による顔面攻撃について。
 ルールでは、上的への手やヒジの技を禁止していますが、もしそうしなければ、試合は八〇パーセント以上ダウンできるでしょうし、ほとんどの選手がケガをしてしまいます。 それどころか生命の危険もあります。
 試し割りを見るとわかるように、正しく決まれば、アゴの骨折、首の骨折、頭がい骨の損傷などがおきますから、上的への手やヒジの技に、審判員は目を光らせています。

・下段突きについて
 転倒した相手には、当ててはいけないことになっています。
 これも生命を守るためです。
 正拳おろし打ちでも、手刀でも、ヒザでも、その形だけで一本になります。
 試合では、転倒した相手に対する一本が多くなります。
 特に、下的まわしげりで相手をひっくりかえして決める一本はあざやかです。
 それは実際のKOではありませんが、もし実際に突けば、生命はないのです。 だから、このことを知っておかねばなりません。
 この試合方法は、お互いに空手家だからだいじょうぶなのです。 ひとりの人が空手を知らなければ、成立しないのです。

・つかみ、ひっかけについて
 つぎに、ルールでは、相手をつかんではいけないことになっています。 もともと空手は、相手をつかまないで効力を十分に発揮しますから、護身術としても、相手をつかむ必要はありません。
 しかし、空手家どうしの試合ですから、もつれたときに、引き倒そうとしたり、自分が倒れそうになった
 ときに、相手をつかみます。 そのつかんだときの技がとても危険なのです。
 相手をひきつけながら、カウンターを打つと、やはり生命の心配があります。 それでつかむことを禁じています。 ただし、手刀でひっかけることは、空手のもっとも重要な技なので許されています。
 また、ひっかけて、五秒以内にきれいに投げると一本になります。 ですから一本背負いというような、柔道にもスモウにもある技も飛び出します。 離れている試合での投げ技ですから、その決まったときは、観衆がアッというぐらいみごとです。
 

 という事で3つまとめてみました。
 最後におまけで当時のルール解説を載せてみましたが、これは極真某派がオリンピックに空手が採用されたらどんなルールでも参加するとか言っていたので、何となくやっちゃいましたw 別に極真ルールの理念が書いてある訳では無いんですが、何となく、ね。
 あ、私としては「どんなルールでも」っていうのは反対ですね。 採用されたルールがライトコンタクトだったり、寸止めだったりしたらどうするんですか。 個人として参加するならともかく、組織として今まで「最良のルール」としてやって来た極真ルールをないがしろにされては堪りません。 ルール改正は「実戦性追求の為」とか、「安全性を高める為」ならともかく、「オリンピックに参加する為」では今まで40年以上突っ張ってきた極真は何だったのか、という話です。

極真対全空連.jpg

 あまり知られていませんが、極真や全空連は一時期空手界の統一とオリンピック採用も視野に入れて何度も会合を開いています。 結局のところ合意に至らずそれぞれ独自に採用を目指しウェイト制大会を作ったり、オリンピックの委員を招いたりしたのですが、先にテコンドーに取られてしまったという経緯があります。
 「プレーゲーム化した空手の試合を認めるわけにはいかない」とは大山総裁の弁ですが、自分たちの理念通りでは無いルールが採用されたとしたら組織として参加するのは止めましょうよ。 武士は食わねど高楊枝、ですよ。
 それでは、また。

 …またいらん事書いたかも…w

参考資料:
Masutatsu Oyama, BOYS' KARATE, Japan Publications, Inc., 1969
週刊大衆 1964年10/8号 「負けることは自分が死ぬことだ -実力日本一の空手八段大山倍達氏-」 双葉社 1964年
ダイナミック空手 大山倍達著 日貿出版 1967年
空手教室 大山倍達著 秋田書店 1970年
ぜったい負けない護身術 少年空手教室 講談社 1970年
スポーツニッポン 1972年 6/14 スポーツニッポン新聞社 1972年
第1回オープントーナメント全世界空手道選手権大会 記念プログラム 国際空手道連盟、(財)極真奨学会 極真会館 1975年
いつの日か 男は狩人 深沢茂樹著 けん出版 1980年
紙のプロレス公式読本 大山倍達とは何か?  ワニマガジン社 1995年

参考リンク:
ウィキペディア 添野義二  (2011/02/12)







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大山倍達著 「極真への道」を全部集めてみた。

JUGEMテーマ:空手
 もう今年も後11ヶ月しかありませんが、皆様如何お過ごしでしょうか?
 久々な書評ですね。 今回はマニアックな古本ネタですので、面白く無いと思う人が多いかも知れないですw
 このコーナーでは極真以外にも個人的に面白いと感じた格闘技関係の本も扱いたいと思っているのですが、書く前に中身を読み込まないといけないのが辛いところですねぇ。


 さて、今回のお題は…1976年に日貿出版より発売された大山倍達著「極真への道 -私の空手哲学-」です。 大山総裁の著作物は国内だけで50冊以上あるのですが(改訂版等を含む)、この本が出た頃はそれまでの自伝(武勇伝)や技術書から哲学書、啓蒙書の出版が増えた時期に当たります。
 「週刊少年マガジン」で連載されていた「私の空手道人生 輝く日本の星となれ!」(1973年に書籍化)がきっかけだと思いますが、これを皮切りに、75年に「大山倍達 わが空手修行」(徳間書店)、「わが空手五輪書」(講談社)と、自伝であっても教育的な要素が多くなっていきます。
 そんな中、古くより付き合いのある日貿出版より「空手哲学」と題した本が出た訳です。 しかしこの「極真への道」、実は大きく分けると3種類あります(翻訳版は除く)。 そして謎のダブルカバー版を含めると4種類ですね、これを紹介してみようという企画です。

 まずは旧版となる初版と第3版。 表題のフォントが違いますw 初版はブロック体、第3版は手書きですかね。 中身は一緒です。

極真への道3(初).jpg
初版

極真への道1.jpg
第3版

それでは後ほど紹介する増補改訂版との比較の為、目次を見てみましょうか。

第一章 志を立てよ
 ●「死すとも帰らず」 ●恥を知る ●ビスマルク伝に感激 ●「志立たざれば、舵なき舟……」 ●志気が友を作る

第二章 たゆみない修練
 ●一刻もむだにするな ●死にものぐるいで働く ●12時間ぶっ通しの稽古 ●涙を流して『宮本武蔵』を読む ●地味な修練に道の真実がある ●休めばずり落ちる

第三章 生死を超える勇気
 ●愧ずることない心をもて ●巨漢と対決したとき ●「生を視ること死の如く……」 ●挑戦から生れる勇気 ●「死を必すれば生く」 ●極真組手は極楽組手

第四章 礼節の使者となれ
 ●空手の道も人の道 ●他人を尊重すること ●粗暴をつつしめ ●礼節なき国 ●おのれに克つことが礼である

第五章 孝子の拳
 ●人間と動物のちがい ●親子関係から人間関係が生れる ●親孝行がなぜ必要か ●親孝行は礼節の基本 ●親孝行の仕方 ●極真空手は孝子の拳

第六章 武とは何か
 ●日本は文弱ゆえに敗けた ●文武両道の必要 ●暴力に立ちむかうために ●外国では弱い日本人 ●治平に武をたしなむこと ●まちがっていたではすまない ●個人にとっての武の意味

第七章 何のために戦うか
 ●戦いは生物の宿命 ●空手を私物化するなかれ ●ライバルがあってこそ ●なぜ「正義」が勝つか ●一番強い兵隊は「義兵」である ●空手家なら空手を戦え

第八章 空手と禅
 ●空手の奥行の深さ ●三界ただ一心 ●虎になりきる ●岩を貫いた矢 ●にらみ倒しの術 ●自分を超えた作品 ●丸橋をわたるように

第九章 呼吸と精神
 ●精神と肉体をつなぐ呼吸法 ●精神は丹田にあり ●空手は生きた禅である ●頭より肚が大事

第十章 妻をめとらば
 ●最大の喜びであり、最大の苦しみ ●溺れるな、支配されるな ●真のロマンを求めよ ●失恋はよいはげみ ●理想の妻

第十一章 金銭の奴隷となるな
 ●金銭ー必要なもの! ●金銭は目標ではない ●アメリカ社会の悲惨 ●金よりも道を求めよ ●「児孫の為に美田を買わず」 ●金の使い方

第十二章 無心拳、無想拳
 ●山籠り修行で三昧を知る ●集中と放下 ●心の傷 ●一刀齋の無想剣 ●極真の道 ●初心は三年

第十三章 現代における空手の意義
 ●空手ブームと極真空手 ●空手はなぜ流行したか ●空手の現代的意義 ●空手はどこで始まったか ●神秘主義の弊害 ●空手の真の神秘
 
 次は1981年に出版された増補改訂版。 こちらは差分だけ抜き出してみます。 最初に写真ページと増補改訂版の序文が追加、そして新たに第一章が追加され、全部で14章となります。

極真への道4.jpg
増補改訂版

第一章 節度
 ●親子の節度 ●師弟の節度 ●文化的衆愚政 ●努力と献身の美徳を賞揚せよ

旧版の第一章は第二章となり、項目が一つ追加されました。  以下差分。

第二章 志を立てよ
 ●わが心の友

第五章 礼節の使者となれ
 ●礼節を乱すもの

第八章 何のために戦うか
 ●極真空手によって空手は一変した ●好転した空手界(旧題●空手を私物化するなかれ

第十四章 現代における空手の意義
 ●空手ブームと極真空手(全面書き直し)

 そしてあとがきには、旧版にあった今東光先生と梶原一騎先生の名前が消えています。

 その後、大山総裁が亡くなられてから「強く生きたい君へ」と改題され光文社より出版され、大山倍達座右の銘と、夢枕獏氏による寄稿文が追加されました。 こちらは増補改訂版では無く、旧版が元になっています。

強く生きたい君へ.jpg
光文社版

 それから、英語版の”The Kyokushin Way”。 95年頃まではアメリカの本屋で見掛けましたが、現在の相場では大体250〜400ドルぐらいはします。 ドイツ語版だともっと安いのですが。


kyokushinway.jpg
英語版

 で、これは他で見た事が無いのですが、私の手元に謎のリバーシブルな表紙カバーがあります。 表紙が既存の物とまるで違いますね。 で、裏は目次と円形逆突きの写真になっています。 ついでに奥付には初版とあります。 入手した時は従来の表紙の上にこのカバーが掛けられていました。

極真への道1(初).jpg
謎のリバーシブルカバー

極真への道2(初).jpg
裏側はこんな感じ

 このカバーについて、発売当時の「現代カラテマガジン」を読んでも何も載っていませんし、空手古書道連盟でも分かりませんでした。 池袋の武道ショップでは実際には出版されなかった見本か、試し刷りじゃないかという話でした。
 このカバーについて何かご存じの方がいらっしゃったらコメント下さい。

 さて、増補改訂版が出た時期というのは、極真会館が大きく揺らいでいた時期となります。 第2回世界大会における不祥事、極真が直接関わった形ではありませんが、新日本プロレスとの異種格闘技戦による信用毀損、高弟の離脱、内部抗争のスキャンダル、国税局による摘発(修正申告で済んだ)、そして梶原兄弟との確執の表面化と協議会による両名の除名嘆願。
 急速に成長したが故の歪みと、メディアに迎合してしまった大山総裁と極真会館の内部問題が一挙に吹き出した訳です。 修正箇所を見ていると、何故増補改訂版を出したのか、何となく理由が見えて来ませんか?
 まぁ、その後の極真会館は安易にメディアに出るのを避ける様になり、王道路線を歩む事になるのですが…払った代償は大きかったと思います。

 しかし本書で書かれている事は普遍的な事が多く、読めば心に残る物もあるかと思います。 未読、もしくは既読の方でもまた新たに読まれてみては如何でしょうか? 


 ーという感じですw
 今回の記事を書くにあたって、旧版と増補改訂版を読みました。 書かれた時期の時代背景もあるので、現在の世相に合っていない部分もあったり、また否定したいところもあったりしますが、久々に読んで面白かったです。 大山倍達の話はその伝説につい目が行ってしまいますが、名言も多くの人に感動を与えています。
 あまりマトモな書評ではありませんので、この記事を読んで「この本を読んでみたい!」と思う人もいないでしょうけど、ウチはまぁほら、マニアックなブログですからw
 改訂版とか余計なもんが無かったら普通にレビューしますよ? …多分。
 次は探している方も多いかも知れない、講談社の技術書とかやろうかなーとか思っています。

 それでは、また。

参考文献:
Masutatsu Oyama, The Kyokushin Way Mas Oyama's Karate Philosophy, Japan Publications, 1980
極真への道 ー私の空手哲学ー 大山倍達著 日貿出版社 1976年
増補改訂版 極真への道 ー私の空手哲学ー 大山倍達著 日貿出版社 1981年
強く生きたい君へ 我が空手哲学 大山倍達著 光文社 2004年


 






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大山倍達著 ”What is karate?”

JUGEMテーマ:空手
 という事で今回は古書ネタです。 大山倍達総裁が初めて出版した空手書”What is karate?”ですが、大きく分けて4つのバージョンがあります。 それを全部紹介してみましょう。

各巻の目次はこちら

whatiskarate1.jpg
What is Karate?
EVERYONE CAN PRACTICE KARATE MYSTERIES

1958年1月初版、東京ニュース社(全98ページ)

 この初版は本を出す為だけに立ち上げたと言われる東京ニュース社から刊行されました。 最も、登記はチェックしていないので本当かどうかは知りません。 当初は丸善や米軍基地にあるPX(売店)で販売されていたそうです。 この本のカラー写真は大半がモノクロ写真に色を塗ったものなので、少し違和感があったりします。
 初版は3000部しか出版されておらず中々入手困難な一品ですが、誤訳が多く純粋に技術書として見た場合は少々物足りないかも知れません。 しかし大山道場で撮影されたこの本は貴重な写真が多数収録されており、大山倍達自身の演武や遠征時の写真、初期の高弟による実演は、今となっては見る事の出来ないものばかりです。 ちなみに収録型は以下の通り。
・平安1〜3(平安2に若干の違いが見られる)
・最破(剛柔流版では無く極真版だが、四本貫手による双手突きが無い)
 そうそう、自伝には韓国で両班(大雑把に言えば朝鮮半島の上位に属する身分階級)の子だとあります。 他にはAndre Nocquetという合気道家と植芝盛平先生が一緒に写っている写真もありますね。

whatiskarate2.jpg
What is Karate? Revised edition
1959年6月改訂版、東京ニュース社(全144ページ)

 初版の誤訳の多さと写真の少なさを解消した改訂版。 最終的には7万部売り上げたと言われる版です。 50ページ増えた事により、写真も大幅に増えました。 特に大山倍達自身による1対多数は貴重でしょうね。 他には道着の着方や畳み方、巻藁(通常の物に加え、下げ巻藁や、日本拳法空手道の山田辰雄先生が考案した丸いサンドバッグみたいな物)の作り方、空手の伝達ルートなどが追加されています。 ちなみにこの本では1930年に朝鮮半島に空手が伝わったとあります。 また、収録型が増えました。
・平安1〜5(1〜3は初版と同じ写真)
・征遠鎮
・最破(初版と同じ写真)

whatiskarate9.jpg
What is Karate? New edtion
1963年7月新装版、日貿出版(全140ページ)

 1962年、第7版まで増版した東京ニュース社から日貿出版に版権を移して出版されたバージョン。 表紙が2種類ありますが、第2版までが円形逆突きをしている版で、瓦割りをしているのが第3版です。 未確認ですが、65年の第3版で絶版になっているみたいです。 結構撮り直しされた写真があり、胸には「極眞會」の意匠が入っている人もちらほら、多分6〜7割くらいは撮り直ししているんじゃないでしょうか。 また、巻末には観空マークもあります。 そう言えば空手の伝達ルートは無くなりました。 収録型は改訂版と同じですが、平安だけ写真が差し替えられています。

whatiskarate8.jpg
What is Karate? Completely new edition
1966年12月版完全新装版、日貿出版(全176ページ)
whatiskarate5a.jpg
ケース

  最も知られた版だと思います。 本来はケース付きですが、ケースを持っていない人が多いでしょうね。 初版と第2版は先に出版された”This is Karate”に合わせて赤地に金文字ですが、第3版か第4版(未所有の為確認してません)が黄地に黒文字、そして最後に橙地に黒文字の版(こちらも未所有)が出ました(写真では左から古い版です)。 その後日本で出版された「ダイナミック空手」によく似た構成なので、「ダイナミック空手」は”What is karate?”と”This is karate”を元に製作されたと思われます。 レイアウトも非常に見易く洗練されており、ここに至るまでの経験が十分に生かされていますね。 アジアにおける格闘技の伝達ルートが収録されているのですが、ここに「何が、いつ」かは不明ですが、朝鮮半島から九州に向けた矢印が追加されています。 1930年に日本から空手が伝わった事を指す矢印はそのままなんですけどね。 とある韓国人に頼まれて追加したという矢印はこの事を指すのだと思われます。 大山総裁らしいいい加減な処理だと思います。 収録型はちょっと減ってしまいましたが、こんな感じです。
・平安1〜5(撮り直し)
・最破(撮り直しで、四本貫手による双手突きが追加されている)

 他にも上記の完全新装版の出版社が変わりタイトルが”Mastering karate”となって出版されたバージョンもあるのですが、こちらも軽く紹介しておきます。

masteringkarate4.jpg
Mastering karate

 左が1974年Grosset&Dunlap社版、中央が1978年同社版、これは日焼けした訳では無く、1974年版の方が紙が厚くサイズも少し大きめです。 そして一番最後のが1983年Putnam版。

 多分これで全部じゃ無いでしょうか。 今後この本を購入される方の一助になれば、と思います。 あぁ、ちなみに破れ等は画像を修正してますw
 それでは、また。
 
参考文献:
Masutatsu Oyama, What is Karate? EVERYONE CAN PRACTICE KARATE MYSTERIES, Tokyo-News Co., 1958
Masutatsu Oyama, What is Karate? Revised edition, Tokyo-News Co., 1959
Masutatsu Oyama, What is Karate? New edition, Japan Publications Trading Company, 1963
Masutatsu Oyama, What is Karate? Completely new edition, Japan Publications Trading Company, 1966
Masutatsu Oyama, Mastering Karate, Grosset&Dunlap Co., 1974
Masutatsu Oyama, Mastering Karate, Putnam Co., 1983
わが師 大山倍達 高木薫著 徳間書店 1990年

 







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